発熱;鑑別多すぎるのでザックリ
●外来で<初回で分からないことってのは全然あるので焦らない。2回目3回目も大事>
まず①第一印象は?歩けるか?②バイタルの崩れないか→ショックならすぐショック対応
→SIRS<①発熱38以上か低体温36未満、②頻脈90以上、③頻呼吸20以上、④白血球異常>qSOFA(意識GCS15点以外、sBP100mmHg未満、呼吸22bpm以上)アタマムネムネ2つで×
→敗血症がありそうならすぐにショック対応。
問診
現病歴:いつから、悪寒、戦慄、寝汗、睡眠、体重変化、ADLも大事
既往歴:特に結核、手術的も
☆生活歴:アレルギー、職業、住居(引っ越し・木造など)、海外渡航歴(旅行者感染)、ペットや動物との接触歴、タバコ、アルコール、月経、妊娠状況(要配慮)、体重変化、ADL
内服薬:普通の薬以外にもサプリ、漢方薬、健康食品も。開始時期も。
家族歴:sick contact(家族に同じ症状、特に子供)、周囲の流行、結核も!
解釈モデルが以外に大事

診察:top to bottom approach。全身・くまなく・丁寧に
全身:発熱、発汗、
頭頸部:眼球結膜の黄疸(敗血症・肝胆、溶血)、眼瞼結膜の貧血・出血点、瞳孔収縮(頭蓋内病変)、耳介所見、鼓膜(中耳炎)、副鼻腔(副鼻腔炎の叩打痛)、頸静脈怒張(心不全)、髄膜刺激徴候(髄膜炎)、咽頭炎扁桃炎、歯周病も?チアノーゼ、可能なら眼底所見(Roth斑)、甲状腺、頸部リンパ節も
胸部:頻呼吸、深さ、ラ音、呼吸音減弱。(脱水状態では肺炎でも正常に聞こえることあり)
心臓:拍動の整・不整、頻拍・徐拍、相対的徐脈(39℃で100以下、40℃で120以下くらい)、第Ⅲ音(心不全、大事)、雑音(心内膜炎)、擦音(心外膜炎)、高齢右心なら聞こえない。
腹部;腹部外科の瘢痕(脾摘、虫垂炎、胆石、子宮、前立腺など)、平坦or膨満、腸雑音、自発痛、圧痛、肝脾腫←☆改めてチェック
感染初期、高齢者、脊髄障害、ステロイド使用者では所見が目立たないので注意。
背部:脊椎に沿った打痛(骨髄炎)、肋骨脊柱角叩打痛(腎盂腎炎)
四肢:腫大(ふくらはぎ→深部静脈血栓症)、浮腫(輸液過剰以外に敗血症に合併した毛細血管漏出症も)、急性複数の関節炎→全身感染症(黄ブ菌、連鎖球菌、淋菌、骨髄炎菌)示唆。
直腸:潜血便、血便、黒色便。肛門周囲膿瘍、高齢女性の婦人科領域、前立腺炎
皮膚:黄疸、皮疹、紫斑(圧迫して消退しない)→重篤な疾患が隠れているかも。紅斑・落屑
・傷あり→その様子、におい(破傷風のガス壊疽で腐敗臭)
・非常に淡い紅斑(見落としがち)→黄ブ筋や溶連菌の毒素性ショック症候群は血培でもだいたい陰性になるため、あらかじめ紅斑に気付いて鑑別に挙げないと何も分からない。
・表面上異常なし、でも軟部組織に異常な痛みの訴え→壊死性筋膜炎(化膿性連鎖球菌)
神経(一番は意識障害)
・言語・視野障害片麻痺などの巣症状。心内膜炎による感染性梗塞や脳・脊髄膿瘍
・脳幹脳炎結核やリステリア、クリプトコッカスによる。症状は巣症状や脳神経症

検査:敗血症っぽい→血液(分画含む血算、間腎アミラーゼ、プロカルシトニン;PCTを含む生化)、凝固、血清(回復期に比較するとき用のペア血清)、血ガス(乳酸:6時間以内に2回目も)、培養は30分以内に採取。血液の他に炎症疑いで尿、喀痰、髄液、関節液、皮疹の吸引液、浸出液。必要があれば胸腔、腹腔、関節腔、心膜なども。塗抹(グラム染色、抗酸菌)、培養(一般、嫌気性、真菌、抗酸菌など)
心電図(大動脈弁輪周囲の膿瘍による房室ブロック)
胸写:全例。肺炎以外に梗塞、ARDS、心不全も確認
CT・MRI
頭部→髄膜炎脳炎、頭蓋内膿瘍
胸腹部→だいたいとる。きわめて有用
その他:軟部組織→四肢MRIは壊死性筋膜、筋炎に。脊椎→脊椎骨髄炎、脊髄周囲膿瘍
腹部エコー:手軽。時間はかけすぎない
※敗血症っぽい状態から血培をとっても起因菌同定できるのは半分。原因は一過性、間欠性の菌血症だったか偽陰性か。時間をおいて採血することも有効。逆に持続性だったら血管内感染、具体的には心内膜炎、血栓性静脈炎、カテ関連などが考えられる。


※不明熱:38.3度以上の発熱が3週間以上持続し、3回以上の外来または、3日以上の入院精査でも診断がつかない時

※巣症状:大脳半球の一部の障害、局所症状。片麻痺言語障害視野障害など。

SOFAスコア:かきくけこ
肝(Bil):-1.2:1.2-1.9:2-5.9:6-11.9:12-
凝固(血小板):150-:150-100:100-50:0-20:20-
クレアチニン:-1.2:1.2-1.9:2.0-3.4:3.5-4.9:5.0-or 尿量でも
血圧(平均血圧MAP):正:70以下:DOB5γ以下:DOB5γ以上、NOA0.1γ以下:以上
呼吸(PaO2/FiO2):>400:<400:<300:<200人工呼吸:<100人工呼吸

→感染がよく分からんかったら別の原因(薬剤熱、腫瘍熱、膠原病)

薬剤熱:比較的元気。食欲ある。相対的徐脈(39℃で100以下、40℃で120以下くらい)、比較的炎症反応低値、肝酵素軽度上昇、好酸球上昇など。服薬開始後1-2週程で発症。
薬剤中止後3-4日で改善
※相対的徐脈は薬剤性以外にも細胞内寄生菌(レジオネラ、オウム病、チフス、Q熱他多数)、悪性リンパ腫、中枢神経疾患、詐熱など色々。

膠原病:不明熱で長期持続してるとき、他症状で疑わしい時
絨毯爆撃的に
膠原病系→抗核抗体(ANA)、RF、ANCA、他自己抗体
腫瘍マーカー→sIL-2R(悪性リンパ腫に)、他
炎症系→フェリチン、赤沈、プロカルシトニン。
その他→EBV, CMV, HIV,HBV,HCV,梅毒、レジオネラ、クラミジア、β-Dグルカン、アスペルギルス抗原、クリプトコッカス抗原、ACE、IgG4、便潜血、ホルモン
内視鏡、Gaシンチ、PET遺伝子検査、眼底検査までやる?

腫瘍:腎細胞癌、肝細胞癌。転移性では胃癌、大腸癌、卵巣腫瘍が腫瘍熱あり。

☆☆☆☆☆☆☆☆☆☆
※皮疹を伴う発熱、というか…見落としがちな奴、面倒な奴

・感染性心内膜炎:実際は歯科治療では多くない。1400万回歯科治療して1例出現。多いのは心内膜炎の既往や人工弁で10万件で1症例。他にはリウマチ性心疾患や僧房弁狭窄症。
症状は発熱や心雑音など非特異的。地味な所見が大事。強調されているのはしらん。
・新規発症の心雑音、増悪する心雑音。胸の音と病歴が最も大事。
・数%の低頻度だけど、特徴的:点状出血(結膜、頬粘膜、四肢)、爪下線状出血、オスラー結節(指頭部の赤・紫の有痛性皮下結節)、ジェーンウェー発疹(手掌・足底の無痛性小赤色斑)、Roth斑(眼底の出血性梗塞、中心部が白色)
・特にリスクのない若年者に動脈塞栓(脳・腎・脾・腸間膜動脈)があったら存在を疑う。
・ANCAやRF、抗核抗体が陽性になることもあって、血管炎と間違えたりする。
診断は血培(3セット!)と心エコー、おまけで身体所見。Dukeの診断基準がそんな感じ。
※CNSはコンタミで多い。弱毒だけど複数から検出されたら感染源と考える。
起因菌:黄ブ菌(コアグラーゼ陰性CNS)。緑色連鎖球菌、腸球菌、Streptococcus bovis
急性(~数日):黄ブ菌(他肺炎球菌、β溶連菌)。塞栓症リスク高い。
エンピリカルな治療は極力行いたくない疾患だけど、黄ブ菌は急性の経過でやばかったりするからエンピリカルな治療でバンコマイシンを2日くらい使うこともある。
・黄ブ菌→セファゾリン(セファメジン)2g8hを6週間!長い。MRSAならバンコ(6週間)
人工弁など生体異物があるとき:バンコマ+ゲンタマ±リファンピシン
バンコ30mg/kg/日、ゲンタマ3㎎/kg/日(1日1回か3回、2週間)、リファンピシン900㎎分3
・緑色連鎖球菌:ペニシリンGかアンピシリンかロセフィンを4週間。耐性株ならゲンタマ追加
・腸球菌:堅い。アミノグリコシドを併用したい。腸球菌「専用」の高濃度で感受性確認
治療:アンピシリン2g4ml注射用水4時間毎+ゲンタマイシン3m/kg/日を分3 4~6週間
※アンピシリン4時間毎がきつそうなら、ユナシン12g/日6時間毎(3gx4回)が良いかも
・HACEK(主に口腔内のGNR)培養が難しく、時間もかかる。2週間くらい。でも10%ある
治療:ロセフィン4週間
☆血培陰性でも感染性心内膜炎と考えて抗菌薬を使用する、その前にやること 
・抗菌薬使用歴、麻薬使用歴、最近の歯科治療歴、皮膚感染症、動物接触歴(オウム病、ブルセラ症、Q熱)、急性か亜急性かの検索、塞栓症、皮疹の有無の検索、紹介患者なら元の病院の血培をボトルごと入手す、 最近に特殊な菌の培養の必要性を説明、血清学検査(Brucella, Chlamydiaなど)、心エコー、心外科コンサル(手術の可能性)
・他はその都度調べる。

※Streptococcus bovis(腸管内常在菌)が検出されたら、大腸癌の検索検討(CEA,CA19-9)。大腸癌ではこれが結腸で増殖し、保菌状態になるため。

☆治療において大事なのは「治療効果を血培で判断する」こと。発熱、CRPで判断してはいけない。「陽性であった血培が陰性化している」ということが治療効果そのもの。


・粟粒結核結核菌が血行性、リンパ行性に全身に播種した状態。予後悪い。
感染した臓器に応じた症状が出るが、だいたい非特異的。例外的には脈絡膜結核腫ある。
易感染状態が長く、数週に及ぶ発熱・寝汗・体重減少があれば疑うくらい?血痰もか。
粟粒結核を疑ったら、リンパ節腫脹、肝脾腫、関節痛、筋把握痛、脊椎叩打痛は有用?結節性紅斑もいけるかも(特発性の他に結核とか感染、膠原病系、薬剤性など)
検査:貧血、リンパ球減少、低Na血症、ALP上昇、低Albなど
喀痰塗抹、培養、PCR,、尿、血、骨髄、リンパ腫、肝生検、気管支洗浄なども
喀痰もPCRも陰性になるやつはある程度いるので、疑い強い時は他の検査も行う。生検。
IFN-γ遊離試験(クオンティフェロン、T-SPOT)

伝染性単核球症:癌原生と常在性の2つのバランスとっている。
EVB、CMV、HHP-6・7、HIVの初感染でも伝単はおこしうる。
だいたいは幼少期に感染して、ちょちょいっとキラーTcellで休眠状態だけど、青年期に初感染すると免疫が強力に働いて、症状出現するみたい。
症状:咽頭炎、頸部(後頚部、耳介後部)リンパ節腫脹、発熱
特異度高い→脾腫、眼瞼浮腫(とても特徴的)
診断:VCA-IgM、VCA-IgG→初感染で上昇。EBNA-IgG→既感染で上昇
脾臓破裂の可能性。コンタクトスポーツの禁止
慢性活動性EBウイルス感染症CAEBV:EBVの持続感染。血球貪食症候群悪性リンパ腫、頭蓋内病変など色々重篤
※急性レトロウイルス症候群:HIV感染後1~3週間で発症。伝染性単核球症と似た症状。紅色丘疹、口腔内潰瘍、会陰部潰瘍が特徴的。HIV抗体は6~8週後。症状は1-2週で自然軽快。HIV-RNA PCR検査。


・血管炎症候群:炎症、虚血、出血。血管のしずで分類。
鑑別は微妙。不明熱からなら感染、膠原病、腫瘍。紫斑あらITP,TTP,シェーグレンなど、紅斑(リべド、網状紅斑)なら膠原病、リン脂質抗体症候群、コレステロール塞栓症など。
診断難しい;症状からピンときたらいいんだけど…。P-ANCA, PR3-ANCA, MPO-ANCA補体も調べる。
小血管:発熱、筋肉痛、倦怠感、紫斑、皮膚潰瘍、多発神経炎、肺胞出血、糸球体腎炎
で疑って、その後各々の疾患特異的なやつみる。
・紫斑、生検でIgA→Henoch Sholei症候群、慢性C型肝炎レイノー→クリオグロブリン血管炎、バセドウ病→抗甲状腺薬でのANCA、好酸球上昇・喘息→好酸球性多発血管炎性~、副鼻腔炎・肺空洞病変→多発血管炎性肉芽腫症、肺胞出血・急速進行性糸球体腎炎→顕微鏡的多発血管炎、Good pastur症候群

中血管・大血管はまとめて年齢で区分
小児:川崎病→5日以上の発熱、発疹、眼球充血、口唇・舌発赤、手掌腫脹、解熱後の膜様落屑、片側頸部リンパ節腫脹→アスピリン
若年:高安病→若年者の高血圧、血管雑音、炎症反応高値、片側の脈拍の減弱(血圧左右差)、基部付近なら、脳、上肢の虚血症状(失神、指の冷感)、他に眼症状、頸動脈痛→造影CTや血管造影
中年:結節性多発動脈炎→中血管炎。症状が特に非特異的。診断基準では4kg以上の体重減少、網状皮斑(リべド)、睾丸通、単神経炎・多発単神経炎、拡張期血圧90以上、腎機能低下、B肝、動脈瘤、生検で血管炎。よくわからん奴。
高齢:側頭動脈炎→主に外頸動脈の枝の浅側頭動脈が障害される。→症状で最多は両側、拍動性の頭痛。特徴的なのは顎跛行(咀嚼・長時間の会話で疼痛出現)、生検で血管炎確認
赤沈確認。PMR(リウマチ性多発筋痛症)と合併しあってる。

※これも細かいところはその都度調べる。


リウマチ性多発筋痛症:高齢発症。近位筋や体幹の痛み。側頭動脈炎が20%で合併。
診断基準は色々。Chaung→50歳以上、急性発症・両側性・1カ月以上持続する近位筋痛、赤沈亢進40以上。
似た疾患→RA,RS3PE症候群、SLE、シェーグレン症候群、PM/DM、血管炎、脊椎関節炎、甲状腺機能低下、副腎不全、線維筋痛症、腫瘍、心内膜炎、敗血症、パーキン、感染性筋炎、薬剤性、電解質異常、サルコイドーシスなど全部除外するのはたぶん無理。でも努力はするべき。
MRIで滑膜炎や滑液包炎を検索するのも良さそう。
治療はプレドニゾロン15mg/日。3日以内に過半数は軽快。

成人スティル病:原因不明。若年成人に多い。
症状:高熱(朝には解熱)、関節症状、皮疹がメイン。他には咽頭痛や筋痛、リンパ節腫脹
熱:夕方~夜間に39℃以上。朝には解熱。解熱時には比較的元気。重症なら2峰性発熱も。
関節症状:比較的大関節。xp上の変化は少なめ。発熱・炎症に伴う関節痛?
皮疹:リウマトイド疹。紅斑性丘疹。解熱時消退。掻痒は少なめ(なくはない)。物理刺激でも皮疹(ケブネル現象)
検査:WBCと肝機能、凝固異常、フェリチン高値
→血球減少と凝固異常あったら、血球貪食症候群を疑って、目視で血液像確認。sIL-2Rも
治療:NSAIDsとステロイド


・敗血症性ショック→大量輸液+ノル生(3mg/50ml:2ml/hから)+各種培養(血尿喀痰)提出後、胸写もオーダーしてエンピリカルに抗菌薬。鑑別よりか、60分以内に抗菌薬を開始することの方が大事。でも、緊急検査に出すと30分で出ることもあるらしいから、血液検査の結果見て抗菌薬を選択することも可能かも。施設次第か。
考え方はGPCとGNRどっちもカバーするけど、感染の状況によってGNRの幅が変動する。
・感染巣が分からない場合。
市中、健康人なら大腸菌くらい。院内、易感染なら緑膿菌までカバーとか。
市中:ロセフィン1g+<バンコマイシン1.5g+30g注射用水→NS300ml→60分点滴>12時間毎
院内:タゾピペ(ゾシン)4.5g6時間毎orセフェピム(マキシピーム)2g8時間毎orメロペネム1g8時間毎 + バンコマイシン1.5g(上と同じ用法)
※でも、例えば市中肺炎だったとしても、COPD、DM、心・腎不全、腫瘍など易感染になりそうなものがあったら、緑膿菌もカバーする?
→治療効果判定に血中乳酸値を定期的に測定

感染巣がわりと明らか
・市中肺炎:市中:ロセフィン1g2回+アジスロマイシン(ジスロマック)500㎎1回(2時間で)
<バンコマイシン1.5g+30g注射用水→NS300ml→60分で点滴>12時間毎
緑膿菌リスクある肺炎:タゾピペ(4.5g,8h)、セフェピム(2g,8h)、メロペネム(1g,8h
→長期ステロイド、重症COPD、アル中、既往に抗菌薬使用、老健施設、長期入院も
・人工呼吸器関連:緑膿菌→3つのアレ
・壊死皮膚軟部組織感染症デブリセファゾリン2gNS8h+クリンダマイシン(ダラシン)600mgNS8h
・水への暴露(河川水誤嚥とか)→ビブリオ、エロモナス→メロペン1g8h+シプロキサン300mgNS8hを1時間かけて
・尿路感染:市中→ロセフィン1gNS10ml12h。カテ関連・医療関連→タゾピペ4.5g6hかメロペン1g8h+ゲンタマイシン5㎎/kg24時間毎
髄膜炎;ロセフィン2g12h+バンコマ1.5g12h+アシクロビル(5~10㎎/kg8h1時間かけて)+ゲンタマ7㎎/kg(初回のみ投与)
・腹腔内・胆道系感染:市中→ユナシン1.5g6h緩徐。医療→タゾピペ4.5g6h
・発熱性好中球減少症:タゾピペ4.5g6h、セフェピム2g8h、メロペネム1g8h
カテーテル関連:バンコマ1g12h+タゾピペ4.5g6h、セフェピム2g8h、メロペネム1g8h
カンジダリスクあればフルコナゾール(ジフルカン)1日1回、初回800。次回以降400


☆壊死性筋膜炎:局所の変化に対して痛みが異常に強い。進行が速い。皮膚が非常に浸潤である。この3徴には敏感になっておく。ショック、致死的、ヤバい。
→進行したら:皮膚の変色・水疱(紫、青銅色)、周囲皮膚の感覚脱出。握雪感。
※臨床早期に他の皮膚病変と鑑別するのは難しい。菌種の同定も難しい。血液・深部組織からのグラム染色、培養も感度は低い。混合感染も隠れているので広域抗菌薬は必須。
→切開して目視するのが確実。皮下組織、筋膜、筋肉を観察。
治療は早期のデブリ。抗菌薬も使うけど、抗菌薬だけでは治らない。デブリがまず何よりも重要な治療。経験豊富な外科医の助けが必要。
抗菌薬はクリンダマイシン(ダラシン)600-900mg+NS100ml8時間毎+バンコマイシン1g注射用水20mlに溶解→NS200ml希釈12時間毎。
☆早期診断のためのLRINECスコア
・血清CRP≧150 mg/L(4点)
・白血球数15000-25000/μL(1点)
  もしくは>25000/μL(2点)
・ヘモグロビン11.0 -13.5 g/dL(1点)
  もしくは≦11g/dL(2点)
・血清ナトリウム<135 mEq/L(2点)
・血清クレアチニン>1.6 mg/dL(2点)
・血清ブドウ糖値>180mg/dL(1点)
6点で疑いが強くなり、8点で75%以上の確率で壊死性筋膜炎

☆ゲンタマイシン(アミノグリコシド系)に関して
①静注、筋注で行う。経口は吸収悪い。
②初回投与量は腎機能とは無関係に十分量投与する。肥満には標準体重で計算
③良好:関節液、腹水、胸水。遷延:胆汁、前立腺、羊水→妊婦に禁
緑膿菌を含む多くの好気性GNR。βラクタム系と併用(特に腸球菌では本来アミノグリコシドが通りにくい腸球菌の小さな穴をβラクタムが広げて入りやすくするイメージ)。好気性のみ。腸球菌も。具体的には敗血症、髄膜炎、尿路感染、肺炎、腹腔内感染、皮膚・軟部組織感染症に。
⑤投与量は5mg/kg/日狙うトラフ値は0.5μg/ml, ピークは20μg/ml。30分かけて滴下。滴下終了後1時間でピーク値測定。トラフは次回投与直前に測定。30分かけて滴下が大事。
⑥副作用で腎機能障害が有名だけど、敗血症の時はぽいっと使ってよさそう。24-48時間での抗菌薬使用では腎機能障害はほとんど出ない。(ゼロではないけど。)培養出して、1,2日使って、培養結果確認して抗菌薬変更するのは使えそう。

 

 

 

※腸球菌(E.faecium):とにかく頑丈。VREバンコ耐性。病原性は黄ブ菌ほどではない。尿路感染(特に院内感染)、感染性心内膜炎、創傷感染、腹部膿瘍。

※<バンコマイシン1.5g+30g注射用水→NS300ml→60分で点滴>12時間毎
※タゾピペ4.5g6h、セフェピム2g8h、メロペネム1g8h

※入院患者6つのD
肺・尿・胆道の他に
普通?の患者:drug薬剤性, C.difficile偽膜性腸炎, device(ルート、気管チューブ、カテーテル、シャント).
寝たきり患者:DVT深部静脈血栓, decuditus褥瘡感染, cppD結晶性関節炎

渡航後感染:病歴聴取は大事。FORTHで流行確認。
蚊媒介だとしたら、蚊帳使っていたか、スプレー使っていたか。など
マラリア:重度、治療可能、高頻度で大事。
他色々あるけど覚えきれるわけないからその都度勉強。