貧血:男は13、女は12、老人と妊婦は11が基準
高齢者と若年女性が多い。
・骨髄で赤血球が作れなくなったら、Hbじは1日1%ずつ減っていく。
・赤血球産生指数(2が基準)RPI=網赤血球xHct/45x1/網赤血球成熟係数(45%で1、10%下がるごとに0.5ずつ上がっていく)→ここできちんと産生されてるか確認。
・末梢血液像→安くて早い、おいしい検査
・MCVで小中大

検査:血算(RDWも注意)
まずは網赤血球、絶対数は4~8万:RBCxRet(%)、Hp(ハプトグロビンも)
貧血で網赤血球が増加している→正常な反応、血球が減少してる原因(溶血)を検索する。
貧血なのに網赤血球が正常~低下→造血能が低下→その原因(小中大球性)を検索する。
血球減少の原因
網赤血球増加なし→ハプトグロビン確認。先にクームスもとっとく。
Hp正常:出血。
Hp低下:溶血→RBCが壊れて、中の有害なHbにHpが結合し無害化→消費。
溶血:クームス試験、間Bil、尿中ウロビリノーゲン、破砕赤血球も
小:フェリチン、トランスフェリン、TIBC(総鉄結合能)、血清鉄
正:Epo
大:vitB12、葉酸LDH、末梢血の目視(スメア)過分葉、肝・甲状腺機能も

・高齢者の場合
原因は1/3が鉄・vitB12・葉酸欠乏。1/3が腎機能障害、慢性疾患(炎症?)。1/3が原因不明
→原因不明の何らかの血球減少→①65歳以上、②MCV>96flv(正、大球性)、③RDW>14.5%、④LDH>250IU/LはMDSやAMLの予測因子。0個は12%、3,4個は59%
※RDW(red cell distributuion width)=赤血球容積分布幅:個々の赤血球の大小不同。
MDSは高齢者で割とよく認める。原因不明で①~④満たしてたら疑う。
身体所見はそこそこ。眼瞼結膜の貧血とかも人によるから、そんな気にしない。

●小球性(MCV<80):鉄欠乏>慢性炎症疾患>>サラセミ
・鉄欠乏:フェリチン低値、TIBC高値。
フェリチン:例外的に炎症・肝疾患がある場合は高値(3倍)になる。300での鉄欠もある。
原因;閉経前なら月経での出血。閉経後or男なら、消化管出血。
※月経以外なら消化器症状なくてもスクリーニングで上下部消化管内視鏡検査は必須。
→何が出てくるかは本当に分からん。
その他原因:菜食主義、鉄吸収不全、透析、ヘモジデリン尿症。
治療:鉄剤フェロミア(50)1T夕食後or眠前。反応は1週後にRet↑、Hbは1上昇で反応良好
おまけ:吸収不全の原因は胃切除後、萎縮性胃炎、ピロリ菌感染、セリアック病?など
ヘモジデリン尿はマラソン選手や発作性夜間ヘモグロビン尿症など

・慢性炎症:鉄の利用障害。フェリチン高値でTIBC低値。病歴もあるし分かりやすい。
鉄欠と合併した時は検査値がごちゃってわかりにくい→診断的治療やる。

・サラセミア:無効造血からの貧血。家族性あり。ヘム(Fe)+グロビン→ヘモグロビンが×
正常にヘムが取り込まれないから、血清鉄は過剰になって、貧血気味だから網赤血球が増えて、血球を増やそうとしている。MCVが極端に低下しがち。60未満とか。
使えそうなMentzer index=MCV/RBCm→13未満ならサラセミアっぽい。
→βは電気泳動で確定診断可能。αは電気泳動で出ないこともある→遺伝子検査。

・鉄芽球性貧血
先天性だと、学童期発症の男性(伴性劣性)
後天性だと、MDSや薬剤性(イソニアジド、D-ペニシラミン、アザチオプリン、クロラム)、vitB6欠乏、鉛中毒、亜鉛過剰、銅欠乏←この辺検査する。
トランスフェリン飽和度(TSAT)が高値になるのが特徴的。
確定診断は骨髄穿刺で鉄芽球の確認。


●大球性(MCV>100)<130なら巨赤芽球性(vitB12,葉酸欠乏)、100-120なら肝疾患他色々
・まず、大球性になるにしても色々な要因がある。
溶血や出血で貧血→網赤血球増える(大きい)→MCV大きく出る。
高血糖とかで浸透圧大→血管内に水多量→血球内にも水が入り込んで結果的に大球になる
寒冷凝集素で凝集して見かけ上、大球になる。これらの要素は頭にとどめる。
で、鑑別
①DNA合成障害:薬剤性、巨赤芽球性貧血
②骨髄異形成:MDS、他にちょこっと骨髄疾患
③他色々

①巨赤芽球性貧血:LDHも増加。vitB12も葉酸も経口摂取不足になることは稀。
・吸収不良をきたすのが原因。胃癌術後や神経症状で疑う?胃粘膜委縮での内因子欠乏も
→栄養補充で治療(vitB12は実は内因子がなくても1%は吸収される→メチコバール葉酸はフォリアミンが製剤。内服でOK。血球はすぐ改善。神経症状は6カ月程度かかる)
高齢者ではvitB12は時々欠乏してたりするけど、半分くらいしか貧血にはならない。
症状は疼痛を伴う舌炎、振動覚低下、認知症といった中枢神経障害。白髪も
 薬剤性:抗がん剤、メソトレキサート、抗HIV薬、ST合剤、サルファ剤、抗痙攣、NO

②MDS、白血病、骨髄腫も
汎血球減少や末梢血での異型細胞。→骨髄検査。コンサルト

③色々:肝疾患や甲状腺機能低下、ただの検査異常も。
大球性貧血みたら、肝・甲状腺機能を念のためチェックするのもいいかも。
肝疾患;脂質代謝異常→赤血球の膜構成が変わって大球性になる。アルコール性だと顕著
甲状腺機能低下:なんでかは分からん。
高血糖や寒冷凝集素とかのあれ。

●正球性貧血
大球性+小球性ともにあったら正球性になることは注意しておく。
→鉄欠+vitB12欠や、甲状腺機能低下(大)+慢性炎症(小)とか
鑑別
①網赤血球数(4-8万)確認。RPIも。
②慢性炎症性疾患、腎機能低下、骨髄疾患など

①溶血の精査:自己免疫なら膠原病の基礎疾患とかもありそう。SLE、抗リン脂質とか
自己免疫生溶血性貧血→直接クームス試験。発作性夜間ヘモグロビン尿症→赤血球フローサイトメトリー(CD55/CD59)。赤血球酵素異常(感染、薬剤後、そら豆摂取後は疑う。G6PD、ピルビン酸キナーゼ)。ヘモグロビン異常症(ヘモグロビン電気泳動や遺伝子検査)。感染症
色々あるけど、この辺は専門コンサルトが無難そう。

慢性炎症は普通に調べる。疾患の既往とか不明熱はここにも出てくる。?
腎性貧血:クリアランスは30くらいで腎性貧血になるらしい。
☆糖尿病性腎症だと、45ml/分程度でも貧血が出現しうるとされている!
エリスロポエチン製剤への反応みて診断。ミルセラとかネスプとか。半減期とかちょこっと違いはあるけど、どっちでもよさげ。これも定期的にフォローしないといけないので、専門医の元で行った方が良さげ。治療開始基準はたぶんHb⒑以下になってから。

骨髄疾患:まずは末梢血液像。
末梢血像が正常でも他の検査で異常が見つからなかった場合には骨髄穿刺・生検も考慮する。↓所見と鑑別
血球異形成:MDS。
芽球:白血病、MDS。
連戦形成:γグロブリン血症。
白赤芽球症、涙滴赤血球:骨髄繊維症、巨赤芽球性貧血、溶血性貧血、サラセミア。
この辺も専門コンサルトすでにしてそう。

他には副腎不全、赤芽球癆、中毒(鉛、アルミニウム)など…