小児の頸部・腰部の診察

小児 頸部

 

・頸部のしこり

先天性

筋性斜頸:最多。胸鎖乳突筋内にビー玉大の硬い腫瘤を触れる。エコーで高エコー領域。

筋性斜頸(腫瘤あり):筋性斜頸(腫瘤なし):向き癖(緊張なし)=5:3:1くらい。

健側への側屈制限と患側への回旋制限あり。9割は1歳までに治癒。改善なければ3歳くらいに胸鎖乳突筋下端の切腱術。術後は健側向いて硬性装具固定。

Xp撮影は必須。骨性斜頸(半椎など)の除外鑑別のため。

他の疾患:正中頸嚢胞(嚢胞は正中にある)。側頸嚢胞(部位は近いが柔らかい)。

諸腫瘍(リンパ管腫、耳下腺腫瘍、甲状腺腫瘍)など、エコーで評価。頸部リンパ節炎など。

眼性斜頸:閉眼したらゆっくり斜頸が消失していく。

骨性斜頸:Xpで評価、3D-CTで確実に評価。

 

後天性斜頸:多くは原因不明。数日で軽快する。神経症状の確認、Xpの評価行い、1週間経過観察。1週後に改善なければ、MRI<腫瘍、感染、出血評価>。→明らかな異常認めないとき→炎症性斜頸と暫定診断する。

※斜頸が改善しないまま様子を見てよいのは最長2週間まで

 

斜頸が持続(2週間~)すると二次性の環軸関節回旋位固定に注意する。

・環軸関節回旋位固定:可能な範囲で左右に回旋位をとらせる。可動域制限。肢位不良を認めたら、最大右方回旋位と最大左方回旋位の3D-CTを撮影。2つ必要。

回旋制限ないか(あれば診断確定)

骨性癒合ないか(あれば保存療法無効)

環軸椎亜脱臼ないか(あれば頭蓋直達牽引で上位頚髄損傷による呼吸停止リスクがある。)

3点評価。

進行例では軸椎上関節突起の陥没を認め、そこに環椎がはまり込む。

亜脱臼評価のためにXp前後像、頚髄損傷リスク評価のためにMRI撮影。

亜脱臼あってもGlisson牽引は行う。良肢位での頸椎装具固定も行う。厳重な管理が必要。

 

 

頸部の疼痛

髄膜炎:高熱+前屈制限あり。早急に小児科・脳神経外科に紹介する。

進行性骨化性線維異形成症(FOP):幼児期から頸椎可動域制限あり。母趾の形態異常(99%)を認める(外反母趾など)。

 

頸部の疼痛(斜頸なし):

咽後膿瘍:いびきが大きくなった、唾を飲み込むと痛い。

Xp:retropharyngeal space(咽頭後壁―頸椎前面間の距離)がC2-3レベルで7mm以上。

即日耳鼻科へ紹介。

 

症状持続する場合にはMRI検討。骨腫瘍(Langerhans細胞組織球症他、悪性腫瘍)評価。

 

 

腰痛:感染の除外。発熱→採血→炎症上昇→MRI精査。

多くで腰椎初期分離症(疲労骨折)を認める。MRIで早期診断。T1low, T2high。3カ月以上運動休止と腰椎コルセット装着。

慢性期で完成された分離症が10歳以下でときどき認める。CTで確定診断。MRIで輝度変化を認めない場合は症状完成、保存治療で改善しない。

Calve扁平椎:Langerhans細胞組織球症。椎体圧潰に注意。

他に、仙腸関節炎(HLA-B27):MRIで輝度変化、CTで骨浸食像。

 

背部のくぼみ(congenital dermal sinus)or 膨隆、毛髪、皮膚欠損、母斑

二分脊椎:両下肢の麻痺症状の評価。S2麻痺なら凹足と鉤爪趾(claw toe)。排尿障害。

MRIで診断:脊髄脂肪腫、閉鎖性脊髄髄膜瘤。脊髄円錐低位(生後6カ月で円錐L3以下)

妊娠中の葉酸摂取不足と関連、栄養指導。

※脊髄終糸により脊髄円錐が尾側に牽引→脊髄係留症候群→牽引され→脊髄円錐低位→頚髄も尾側へ牽引→小脳扁桃ヘルニア(Arnold-Chiari奇形)→脳脊髄液還流障害→水頭症、脊髄空洞症へまで合併。

 

尾骨痛:外傷契機、原因ないときもある。

尾骨椎間板障害:立位とサドルで尾骨に荷重した座位でXp側面像撮影。尾骨の25°以上の可動性があれば診断。座位での柔らかいクッションを使用。数カ月~数年で自然軽快。

難治例には尾骨マッサージ・

 

 

小児 肘骨折

小児:上肢骨折

 

肘関節周囲骨折・脱臼:

小児骨折で最多、成長障害リスク、骨化不十分・誤診、遅発性の神経障害、自家矯正不良。

 

全般的に

初診時

  • 循環障害の評価

指先までの疼痛・蒼白・麻痺(正中N、尺骨N)・橈骨動脈拍動消失・しびれ

  • 神経損傷評価

手関節の背屈・手指MP関節伸展:橈骨神経(下垂手)・後骨間神経(下垂指)

母指・示指IP関節屈曲:正中神経(握りこぶしで屈曲できず、伸展位なら麻痺)

母指IP・示指DIP(のみ)屈曲障害あれば正中N分枝の前骨間神経麻痺

小指と環指の開大・MP伸展、PIP屈曲:尺骨神経(claw hand)

示指・中指の重ね合わせ:尺骨神経(cross finger sign)

・具体的には握りこぶし→手関節背屈→MP伸展→手を開いた状態維持→cross finger

 

XP:正側・両斜位4方向。健側の正側

※撮影時には一緒に撮影。患健正側2方向の4枚。骨折はっきりしなければ斜位を追加

Baumann角:上腕骨長軸と外側骨端線(骨端部と骨幹端部)の角度(平均72度or18度)

Carrying angle :肘外偏角・内反度が健側と比較して5度以下なら整復の必要なし

Tilting angle:上腕骨小頭傾斜角。側面像。40度前後。上腕骨長軸とtear drop像との角

前方凸の伸展型の骨折で15度未満になっていれば整復

それと回旋転位の有無両斜位で確認。

Baumann角で内外反・carrying angleで前後屈

 

 

 

 

上腕骨顆上骨折

 

上腕骨内側上顆骨折

 

・上腕骨内側顆骨折:S-HⅣ型の関節(滑車部)骨折。多くが手術適応、機能障害リスク

骨折部は内側顆部(5歳)・滑車部(8歳)。骨端核の発生以後は診断容易だが、発生以前は軟骨成分のためXp、CTでは評価できない。MRI

Xp:正側面(骨折がわかりずらければ斜位を追加)。monteggia骨折疑い(橈骨頭脱臼あれば)前腕の正側を追加。

分類:Milch分類、Kilfoyle分類

   Type1                      Type2



 

治療

転位がない、ごく軽度→外固定

転位が2mm以上→手術加療、1.5-2.0mm K-wireでピンニング、

 

肘頭骨折

Xp:正・側面+両斜位像。健側比較。

治療:保存療法は4~5mmの転位までが限界。それ以上の転位なら手術(tension band)。

保存は通常90度屈曲位で外固定。3~4週。

伸展位で整復できるならその位置で外固定もよい。

 

後療法:特別な後療法は必要ないが、他動的運動は行わない。骨化性筋炎の出現がないか、経過フォローのXpで観察する。骨化性筋炎が出現すれば運動を中止する。

 

 

 

橈骨頭脱臼:モンテジア骨折が多い、単独はまれ

・Xpで判断。

・手術で整復を行うならば、介在物、整復阻害因子の評価を行うためにMRIの撮影検討

小児 肘

小児 肘

 

肘内障:注意点・骨折はないか。問診と身体所見

※まず慎重に服を脱がせる。健側の上肢から。患肢に腫脹がないか、局所圧痛がないか。

腫脹が明らかなら(骨折疑われるなら)先にXpを撮影する。

稀に鎖骨骨折も伴うので鎖骨の腫脹・圧痛も評価する。

整復操作で症状改善なら終了。疼痛持続するなら経過観察必要。

※整復操作について

肘を完全屈曲させて前腕外旋。深屈曲でなく完全に屈曲させて外旋位にして整復する。

ゆっくりやらずに素早く整復する。外旋で整復できなければ深屈曲のまま内旋位にして整復する。クリック音を確実に聴取する。

回外位で整復できなかった場合、完全屈曲位のまま回内させると整復できることがある。

 

整復操作で改善認めないが、骨折疑い低いなら、再度整復操作を試みる。

上腕骨外顆部骨折なら転位進行してしまう。上腕骨顆上骨折(不全骨折)も疑う。

疼痛強いならギプス・シーネで固定するのが無難。

 

肘の屈伸制限

Xp:正側+tangential view。

病変の位置

上腕骨小頭:Panner病・上腕骨小頭の広範囲の不整像・圧潰像。運動禁止で自然整復。

 

上腕骨滑車:滑車部にfishtail deformity(フィッシュテール変形)あれば骨壊死を疑う。上腕骨遠位部の骨折後(平均4年後)に判明。骨性インピンジメントや関節内遊離体があれば圧潰が止まってから手術を行う。

 

橈骨頭:Xpで判断。橈骨近位部の骨軸が上腕骨小頭の中心を通らない。各種疾患に合併

・モンテジア骨折後:橈骨頭の脱臼を見逃されたケース。問診。

・外骨腫:尺骨遠位部の外骨腫により相対的に尺骨が短縮し内反肘となり、橈骨頭脱臼。前腕全体のXpも追加。

・爪膝蓋骨症候群:学童期以降で徐々に回内時の前方脱臼がみられる。膝蓋骨脱臼ないか、乳幼児期の爪の形成不全がないかの問診。上腕骨小頭の低形成あり、手術成績は不良。

※尺骨骨切り術では過剰な屈曲で術後後方へ脱臼、過剰な伸展では術後前方へ脱臼する。

 

関節内:骨折後後遺症、化膿性肘関節炎後遺症、関節内遊離体など。

 

・突然肘屈曲位でロッキングして伸展しなくなった場合、橈骨頭前方脱臼を考える。画像検査で評価はほぼ不可能。術中診断するしかない。

・稀に進行性骨化性線維異形成症(FOP):Xpで異所性骨化。外反母趾の評価。実際には異所性骨化の原因の大部分は血管腫に伴う静脈石。

筋肉:筋肉内血管腫、MRI(特に矢状断・上腕部~前腕部を広く含める)

画像検査で評価困難なら化膿性肘関節炎、JIA評価のため関節液検査を行う。

肘の回内外制限:手関節による代償運動あり、気付きにくい。

先天性橈尺骨癒合症:回内外中間位で肘屈伸可

腕橈関節強直:肘関節の運動がまったく不可

ある程度回内外ができる場合:外骨腫、腕頭関節脱臼疑う。Xpで評価。

 

肘の腫脹・疼痛

発熱+:化膿性肘関節炎、JIA、リンパ節炎

発熱-:スポーツ障害。圧痛点で評価。

内側上顆:内側型野球肘。圧痛と外反ストレスで疼痛。Xpで内側上顆の遠位部に骨片。

内側上顆の付着部炎。投球休止(1カ月以上)。運動時痛と圧痛の消失を待って復帰許可。

原則保存治療。難治性では骨片の摘出もあり。

 

上腕骨小頭下端のやや前方:肘屈曲で評価。上腕骨小頭の離断性骨軟骨炎or Panner病。

Xpでtangential viewで評価。病初期はMRI。進行期に関節内遊離体を認める。

外側型の野球肘。1年以上の休養を要する。関節軟骨片がある場合は保存で改善しないため、早期復帰希望なら積極的に手術を考慮する。遊離体摘出や骨軟骨柱移植など。

※Panner病:3~12歳。より広範囲の壊死。感染鑑別のため関節穿刺しておく。野球肘より予後は良好。原則保存療法。1,2年で壊死領域は修復。

 

肘頭:肘頭疲労骨折。多くは肘頭成長軟骨板周囲の疲労骨折。Xpで骨端線の開大。左右差。

数カ月間休養し自然治癒をまつ。早期復帰希望ならスクリュー固定検討

 

野球肘はどれも投球ホームと練習量の指導が必要。

 

疼痛の原因として、骨折後後遺症も注意。特にfishtail変形。上腕骨遠位部骨折後数年経過して生じる。不全骨折・骨折形、治療法にかかわらず起こる。予後不良。

他にモンテジア骨折後の陳旧性橈骨頭脱臼の頻度が高い。

 

 

肘屈伸時のひっかかり:再現性確認、他動的にも再現性確認。画像検査

・弾発肘:特定の肘屈曲角で再現性のあるクリック。疼痛を伴う大きなクリックなら、輪状靱帯の腕頭関節内への嵌頓の可能性が高く、長期持続するなら手術。鏡視下輪状靱帯切離術。

実際、伸展時に嵌頓する。屈曲時に戻る際に疼痛が出現する。

疼痛を伴わない小さなクリックは滑膜ひだ障害と診断。診断は鏡視下でみる。

・橈骨頭前方脱臼:深屈曲でひっかかる。

・肘関節内遊離体:ひっかかりの再現が難しい。慢性なら造影でMRIアルトログラフィー。

小児診療 股関節・大腿

診療:股関節~大腿    

 

調べるもの

※股関節の関節穿刺の方法                                                                                                                                                                                                                                                                                                                                                                                                                                                                                                                                                                                                                                                                                                                                                                                                                                                                                                                                                                                                                                                                                                                                                                                                                                                                                                                                                  

 

カルテテンプレ

股関節~膝痛、跛行

 

乳幼児

慢性経過で発育性股関節形成不全疑い

表皮

皺の左右差

下肢長差・Allis徴候(両股膝屈曲位での膝の高さの差)

股関節の開排角度(70度以下で回旋制限あり) 度/度

開排時のクリックサイン、頸部の回旋制限、足部変形、骨盤位分娩の有無

(エコー)。Xp両股関節の正面像1枚

Xp:α角(臼蓋角)年齢によって、変化する。基準線を確認する。

Hilgenreiner線(骨盤涙痕間の線)、Ombredanne線(臼蓋嘴を通る垂線)

Shenton線の途絶:(閉鎖孔の上縁の曲線と大腿骨頸部の内側の曲線、通常一致)

Calve線の途絶:腸骨の外縁と大腿骨頸部の外縁を結んだ線

 

急性経過で化膿性股関節炎疑い

所見:股関節周囲の発赤・硬結・熱感・疼痛。他動運動の運動制限。他の部位の腫脹・発赤

既往:先行感染、アトピー性皮膚炎等の慢性疾患

FADIR test:膝・股関節90度屈曲させ、股関節を内転・内旋させながら屈曲させていく

検査:両股関節正面Xp。エコー。採血。血培

 

小児股関節

所見:股関節周囲の発赤・硬結・熱感・疼痛。他動運動の運動制限。他の部位の腫脹・発赤

既往:先行感染、アトピー性皮膚炎等の慢性疾患

股関節可動域;屈曲

股関節可動域:屈曲:度/度、外転:度/度、内転:度/度、外旋:度/度、内旋:度/度

※可動域は左右同時に動かして確認する。

下肢長、大腿周囲径、下腿周囲径

FADIR test:膝股90度、内転・内旋で疼痛で陽性(炎症性疾患)

Drehmann徴候(すべり症他):屈曲で自然に外旋

Xp、エコー→異常あればMRI

全身症状あれば採血

長期経過でJIA鑑別ならMMP-3, RFなど

 

 

乳幼児・小児期

感染、関節炎、関節変形、骨頭壊死

 

乳幼児

発育性股関節形成不全or化膿性股関節炎

・発育性股関節形成不全(DDH:developmental dysplasia of the hip)

慢性経過

表皮

皺の左右差

下肢長差・Allis徴候(両股膝屈曲位での膝の高さの差)

股関節の開排角度(70度以下で回旋制限あり) 度/度

開排時のクリックサイン

頸部の回旋制限(先天性筋性斜頸の評価)

足部変形(内反足などあればDDHのリスクが高まる)

骨盤位分娩の有無

 

検査: Xpは両股関節の正面像1枚。エコー

Xp:Hilgenreiner線(骨盤涙痕間の線)、Ombredanne線(臼蓋嘴を通る垂線)

Shenton線(閉鎖孔の上縁の曲線と大腿骨頸部の内側の曲線、通常一致)

 

治療:牽引による整復(3か月以上の児)

 

化膿性股関節炎:乳幼児が誘因なく発熱・歩けない、足を動かせなくなった際にまず除外

所見:股関節周囲の発赤・硬結・熱感・疼痛。他動運動の運動制限。他の部位の腫脹・発赤

FADIR test:膝・股関節90度屈曲させ、股関節を内転・内旋させながら屈曲させていく

検査:両股関節正面のXp。エコー<プローブを前方から大腿骨頸部軸に沿って当てる>  

採血。血培。(鎮静下に)股関節MRI<化膿性筋炎・化膿性骨髄炎と鑑別>

(全身麻酔下に)穿刺・排膿<大腿静脈外側から穿刺>。

化膿性股関節炎のMRIでは80%に股関節周囲筋の炎症反応を認める。単純性股関節炎では認めない。

→緊急手術<発症後5日無治療だと変形遺残する>

Kocher4項目:発熱(38.5度)、立位不能な下肢痛、赤沈亢進(1時間40ml以上)、WBC上昇(12000以上)  +CRP2.0mg/d以上→Cairdの予測因子(5項目)

他:先行感染、アトピー性皮膚炎等の慢性疾患

※化膿性筋炎(腸腰筋、内閉鎖筋):膿瘍なければ入院・抗菌薬、膿瘍あり抗菌薬に抵抗するなら排膿・洗浄・ドレナージ                                                                                                                                                                                                                                                                                                                                                                                                                                                                                                                                                                                                                                                                                                                                                                                                                                                                                                                                                                                                                                                                                                                                                                                                                                                                                                                                                                                                                                                                                                                                                                                                                                                       

 

単純性股関節炎:小児が誘因なく大腿部・膝部痛→歩けないとき、まず考える。

所見:発熱、局所の熱感・腫脹(他疾患との鑑別目的)

先行感染の有無、大腿周囲径(症状長期の場合には萎縮を認める)

Xp:両股正側面(Perthes病、すべり症との鑑別)

股関節エコー(他の炎症疾患との鑑別。滑膜増生があれば他疾患の確率高い。水腫は認める)

→発熱、Xpで異常、エコーで滑膜増生・不均一な関節液貯留を認めた場合に

→採血・MRI撮影。

→他の危険な疾患を除外して単純性股関節炎として治療

治療:安静(長くても2週間)。1か月症状持続する場合には入院、介達牽引

 

 

Pertes病:小柄・スポーツ誘因なく跛行、下肢痛。 

歩容・跛行の有無、スポーツ歴

所見:股関節可動域の左右差。FADIRテスト

※可動域は左右同時に動かして確認する。

下肢長、大腿周囲径、下腿周囲径

検査:Xp・両股関節正面、両股関節ラウエン(無理なら別々に撮影)

→MRI精査。

他炎症疾患との鑑別のために採血(化膿性股関節炎、若年性特発性関節炎、白血病)

跛行持続時には2,3か月あけて再度MRI検査

治療:免荷・理学療法・手術。専門で。

 

大腿骨頭すべり症:小学校高学年。肥満が多い。

跛行・疼痛・疼痛の急性増悪の時期。先行感染、スポーツ歴、外傷歴、既往症、家族歴

所見:股関節外旋位か否か。Drehmann徴候(股関節他動屈曲時に自然に股関節が外旋)

発赤・腫脹、圧痛、局所熱感(他疾患との鑑別目的)

検査

Xp:両股正面、両股ラウエン(後方傾斜角10度以上で診断)

MRI:低信号域の確認。

エコー(骨頭頸部移行部の段差の有無)

 

分類:acute(3週以内で急性増悪)、chronic(慢性経過)、acute on chronic(3週以上経過)

※Loberの分類:安定型<荷重歩行可>、不安定型<荷重歩行不可・骨頭壊死リスク高>  

治療:手術。安定ならin situピンニング。

発生後24時間~7日のunsafe window は整復禁。

 

 

※細菌感染が否定的+Xpでも異常認めず→observation hip (観察股)として経過観察。

関節水腫があれば単純性股関節炎と暫定的に診断。

 

                                                                                                                                                                                                                                                                                                                                                                                                                                                                                                                                                                                                                                                                                                                                                                                                                                                                                                                                                                                                                                                                                                                                                                                                                                                                                                                                                                                                                                                                                                                                                                                                                                                                                                                                                                                                                                                                                                                                                                                                                                                                                                                                                                                                                                                                                                                                                                                                                                                                                                                                                                                                                                                                                                                                                                                                                                                                                                                                                                                                                                                                                                                                                                                                                                                                                                                                                                                                                                                                                                                                                                                                                                                                                                                                                                                                                                                                                                                                                                                                                                                                                                                                                                                                                                                                                  

小児の下肢の外観、歩行異常

小児;下肢の外観、歩行異常

生年月日、X歳Xカ月

妊娠中の異常、在胎X週X日、帝王切開or正常分娩、出生体重

成長発達:頚定、寝返り、四つ這い、つかまり立ち、独歩

既往歴

 

O脚(幼児):生理的O脚、Blount病、くる病、局所性線維軟骨異形成症、骨系統疾患

Xpでくる病・他の疾患鑑別→くる病なら手関節Xp追加

             →Xp異常なければ生理的O脚or Blount病疑いで説明

検査

Xp:立位の両下肢全長正面像

くる病→下肢骨幹端部のcupping(杯状変形)、fraying(毛羽立ち)、flaring(広がり)

   →手関節Xpで橈骨遠位端で骨幹端部の骨化遅延

食事・アレルギーの確認、指導

血液検査:25-OH vitD, Ca, P, intact PTH,

局所性線維軟骨異形成症:骨幹部・骨幹端部の境界付近の内側皮質の骨透亮像

 

生理的O脚or Blount病

経過観察。説明が大事。

・生理的O脚

説明:O脚の9割は生理的なもので治療は不要。うちわ歩行を伴うことが多く、残存可能性はある。5歳までに自家矯正することが多く、それまでは経過を見る。残り1割で矯正されない場合は手術検討。

・Blount病

生理的に矯正されなかった。変形が残存した場合、進行性の病変となり矯正骨切りする。

※5歳まで経過観察、それまでに自家矯正が起こらなければ病的→手術介入。変形が極端な場合はもっと早くに手術介入あり。Guided growth。8プレートなど。

 

学童期以降のO脚

幼少期の両下肢の形態が分かる写真を持参してもらう。→確認

幼少期以前からのO脚なら幼少期と同じプロセス。

学童期以降に新規発症

→骨折後の変形、慢性骨髄炎の確認、or 青年型Blount病

MRI検査:大腿骨遠位成長軟骨板・脛骨近位成長軟骨板に炎症所見・骨性架橋がないか確認<骨髄炎・骨端線損傷、プロテインC・S欠乏症などで骨性架橋発生>

血液検査:血算・生化学、25-OH vitD、Ca、P、intact PTH、プロテインC・S活性

70%以下の活性で整形外科的に異常。

 

X脚(外反膝):3~4歳なら生理的なものが多い。学童期以降新規は病的なものが多い。

左右差確認。

※生理的なX脚なら機能上も整容上も問題ない。唯一の問題は朝礼で両足の踵をつけて起立することを強制される時。学校の先生に説明、許可を取り付ける。

 

Xp:全下肢正面。骨端線周囲の異常評価。形態異常確認。

骨端線の骨性架橋:プロテインC・S欠乏症、骨髄炎後遺症、骨端線損傷後後遺症など。

※プロテインC・S欠乏症:遺伝性血栓病。多発性の骨端線早期閉鎖。成長軟骨板に骨性架橋。特に膝周囲に多い。

→説明:生まれつき血が固まりやすい。成長障害あり。成長軟骨板にできた骨を除去。

 

☆うちわ歩行:どこでねじれているか。股・膝・足

Thigh-foot-angle・足部内転変形・股関節可動域の3点。

腱反射の評価。亢進あり、尖足あれば脳性麻痺疑う。

歩行評価:尖足度、heel, FPA, knee, hip, crouching

 

Thigh-foot-angle:腹臥位で膝90°屈曲。大腿と足部のなす角度。通常0°。

→内向きなら下腿or足部の内捻疑う。

→足部のバナナ型の内側変形の有無。有→内転足。無→下腿内捻。

下腿・足部に異常なし。

腹臥位・股伸展・膝90度屈曲で内外旋角度測定。通常内外同。内旋大なら過前捻症候群。

説明:日本では3人に1人がうちわ歩行になる。多くは過捻転症候群という大腿骨の内捻で10歳くらいまでに少しずつ自家矯正していく。治療の必要性はなさそう。うちまたのトンビ座り(TV position)が原因の一つに考えられるので、あぐら座りの練習・外で遊ぶことの励行など。大腿内捻改善後の下腿内捻がおこることはある。変形軽度ならそのまま。どうしても気になるなら小学校高学年以降で手術もある。

※腱反射異常を伴う場合、脳性麻痺疑い。専門の医療機関の受診すすめる。

 

そとわ歩行

Thigh-foot-angle・足部内転変形・股関節可動域の3点で同様に評価。

追加で外反偏平足の評価。荷重。

歩行評価:尖足度、heel, FPA, knee, hip, crouching

※学童期の後天的なそとわ歩行、Drehman徴候陽性なら大腿骨頭すべり症を疑う。

外反母趾の説明。

 

 

・脚長不等:検診で異常を指摘されて整形外科へ紹介される。原因は多岐。

下肢脚長差以外の異常の精査

  • 足趾異常(形成異常・欠損・多趾)
  • 足部変形・可動域異常
  • 膝関節可動域制限・膝蓋骨脱臼
  • 股関節の内外転制限
  • 皮膚異常(カフェオレ斑・血管腫)
  • 下肢周径の左右差

 

  • ② ③異常→片側萎縮、麻痺性疾患、下肢形成不全

⑤→血管腫あれば血管腫による血流増大or減少。Klippel-Trenaunay-Weber症候群疑う

※広範囲の血管腫ならKasabach-Merritt症候群疑う

カフェオレ斑なら神経線維腫症疑う。

④股関節の内転拘縮で見かけ上は脚長が長く見える。外転拘縮なら短く見える。

 

Xp:両下肢全長の立位正面を撮影。骨腫瘍、下肢形成不全、骨端性早期閉鎖を評価。

麻痺の評価、反射もみておく。

 

説明:問題点①墜落性跛行。②骨盤の傾斜による機能性側弯→学童期以降まで続くと、構築性側弯に移行することがある。治療は2~3cm以上脚長差がある場合に検討。

一次的には補高。尖足拘縮ありそうなら理学療法。成長軟骨板の骨性架橋あれば切除。

骨膜剥離切離術や創外固定での骨延長。

 

・下肢の疼痛、疼痛性跛行

最多:成長痛<診察室で症状なし、短時間で完全に軽快する一過性の疼痛、症状のない日が多い、運動時の他覚症状なし>

注意:感染・骨折

・感染:発熱、

・骨折:Toddler’s fracture(幼児の下肢に起こる転位のない不全骨折、病的でない)。画像所見に比して症状が軽ければこれを疑い経過観察とする方針でもよい。

他:身体表現性疼痛、詐病

 

Xp:乳幼児なら全下肢正面、疼痛部位の側面像も。

・成長痛なら異常認めず。

・Toddler’s fractureなら受傷後10日ほどで骨膜反応、仮骨形成あり。

・成長軟骨板と骨幹端部間の線状の骨硬化像(white line of Frankel)→壊血病<血液検査>

→MRIで骨幹端部の骨膜下出血像を認める。

・骨溶解像:骨髄炎、腫瘍性病変を疑う→全身麻酔下に骨髄穿刺施行し、細胞診と細菌検査(抗酸菌検査も)

血液検査:重要なのは血液像<特に目視>と血沈。

 

説明;成長痛<3人に1人が経験する。10歳以降までには自然軽快する。病態は不明。別の病気で痛くなることもあるので症状が異なる時には整形外科受診をすすめる。>

 

・下腿湾曲

Xp:両側or片側

予後良好な先天性下腿湾曲症<後内方弯曲型と一部の前外方弯曲型><Xpで脛骨の重複、余剰拇趾、足部内側の皮膚隆起など>

それ以外<一部の前外方弯曲型>→先天性下腿偽関節症疑う。

小児の下肢診療

小児:膝・足

 

足趾

先天性の足趾変形

・内反趾(curly toe):3~5趾が内向きに丸まる。治らないけど困らない。整容面で気になるなら学童期以降に長趾屈筋腱切離術を検討。

・内反小趾(overriding fifth toe):5趾が4趾に乗り上げるように変形。成長して徐々に目立ってくる。靴のtoe boxに接触して痛いときは手術。伸筋腱切離と皮膚の形成術を検討。

・重なり趾(overlapping toe):乳幼児期からのものは問題ない。学童期以降に進行していくものは内反小趾、中足骨短縮症など。手術を検討する。

・短趾症:治療法はない。見た目を気にしないように説明。煙草他原因は諸説あり。

次の子を望む場合には妊娠中に体内へ入るものへ注意が必要と説明。

・外反母趾・母趾短趾症:稀だが注意。進行性骨化性線維異形成症(FOP)疑う。

頸椎、肩甲胸郭関節の運動制限がないか確認。刺激されたところが骨化する。外傷予防、齲歯予防。Xp撮影。専門医へ紹介。

検査:足部全体のXp撮影。

 

成長に伴う足趾変形

・中足骨短縮症:中足骨骨端線の早期閉鎖。進行性に変形が進行する。4趾に多い。Turnar症候群や先端異骨症(偽性副甲状腺機能低下症)が原因の時もある。成長終了後(小学6年生)以降に骨延長術行う。

・外反母趾:乳幼児期は要注意だが、学童期以降は成人のものと同義。装具療法は疼痛軽減のみ目的。変形の改善は見込めない。2趾と重なるような重症例には骨切り術。

 

・足趾の骨溶解(原因不明):凍傷あればマイクロジオディク病疑う。自然修復。

・爪下外骨腫:爪下に骨性隆起が起こり、変形・疼痛を生じる。時に爪を突き破って骨が突出する。手術で切除すると変形改善。再発を繰り返す難治例あり。

 

 

 

 

 

 

 

 

先天性の変形

・他動運動:徒手的に整復、中間位にできれば問題ない。経過観察で自然軽快。

垂直距骨(疑い)も底屈位で矯正可能なら、oblique talus(斜め距骨)。Xp(最大底屈位)で診断。

・自動運動:麻痺性踵足。足をくすぐったりして自動運動を誘発。原因の多くは脊髄髄膜瘤。開放性なら肉眼で診断されている。閉鎖性or脊髄脂肪腫ならMRIで診断。

 

異常ある時

・先天性内反足:足部内転+背屈制限。Xp:正面と背屈側面

前足部の内転、後足部の内反、尖足、前足部の回内とそれによる凹足変形の合計5つ変形要素がある。

最初の矯正は尖足矯正を行わずに前足部を回外、外転させる。前足部の回内変形と内転を矯正すれば、腫骨は距骨の下で外転して矯正される。腫骨が外転位になるにつれ後足部の内反も自然矯正される。距骨・踵骨の位置関係が正常化してから尖足の治療、アキレス腱切腱術を行う。

先天性内転足:足部内転のみ

 

・垂直距骨:足が前後方向から上に引っ張り上げられるイメージ。距舟関節が脱臼して下方凸に折れ曲がる。前足部を底屈しても改善しない。前足部を底屈させて距舟関節が整復される場合は軽症のoblique talus(斜め距骨)という。

治療は逆pontesi法:前足部をpontesi法の逆に回内、内転させて整復。ギプス整復で矯正後、矯正部分を鋼線固定、アキレス腱切腱術。

 

・扁平足

幼児期の生理的な外反偏平足:ほとんど治療なしで自然に改善。病的なものの除外が大事。

病的①:下腿三頭筋の拘縮(長短腓骨筋も)。痙性麻痺(脳性麻痺)。

治療:下腿三頭筋の延長・長腓骨筋の筋間腱延長術。尖足合併あれば夜間・シューホーン型短下肢装具

病的②:足根骨癒合症。距骨-踵骨。踵骨-舟状骨。舟状骨-楔状骨など。

Xp、3D-CTで確実に診断。外反偏平足で胼胝形成するようならトータルサポートの足底板を作成する。改善なければ骨切り・癒合部の切除術。

病的③:関節弛緩。二分脊椎(膀胱直腸障害)。全身の関節弛緩<結合織疾患:Down症、Marfan症候群、Ehlers-Danlos症候群>→循環器内科へ紹介。

 

 

・つま先歩行:踵歩行・つま先歩行させて、歩容を確認。腱反射・クローヌスを確認。

乳幼児期なら問題なし

幼児期以降なら特発性つま先歩行、脳性麻痺。

学童期以降+凹足の傾向あればCarcot-Marie-Tooth病(CMT)疑う。

・特発性つま先歩行:原因不明。変形なく、痙性なし。普段の歩行時につま先歩行になるが、踵接地を指示すると普通に歩行できる。5%の子供にみられ、5歳までに60%、10歳までに80%くらいが自然に治る。症状持続し拘縮が進行したら装具や手術。

足部内転拘縮が幼児期まで放置されていたらネグレクトを疑う。

・Charcot Marie Tooth病:見逃し多い。つま先歩行、凹足、下肢腱反射消失で疑う。親の足も確認する。神経内科専門医に紹介

凹足の矯正は日中は軟性装具、夜間はシューホーン型の短下肢装具。装具で足の良肢位がとれなくなったら、切腱術検討。

※股関節に亜脱臼を伴う臼蓋形成不全ある。股関節周囲の筋力低下も。骨盤部の求心性重要

※神経の易損性あり、術中の牽引で麻痺に注意。

 

・底屈しない

麻痺性踵足:二分脊椎が多い。MRI検査。脳神経外科紹介。装具(10歳未満はシューホーン、10歳以上は短下肢装具)、抵抗性なら手術。前脛骨筋の後方移動。

関節液増加:エコー、MRI。採血、関節液検査。

・関節水腫:JIA、反応性関節炎、HLA-B27関連関節炎

・膿性:化膿性関節炎

・関節血腫:血管腫、血友病→凝固系の検査。

 

・凹足・下垂足:Charcot Marie Tooth病、他に二分脊椎。腓骨神経麻痺、仙骨神経麻痺。

 

・尖足:下腿三頭筋拘縮。骨の成長に伴って成長しないため、成長につれ増悪する。

夜間(成長期間)に中間位を保つために、夜間のシューホーン型短下肢装具装着。

先天性内反足に伴う下腿三頭筋拘縮は二次的に拘縮しているので、夜間の装具の必要ない。Xp(底背屈側面像)で骨性の要因を評価

足部(Chopart関節・足関節の拘縮)、足関節(関節前方の骨性インピンジメント)の評価。

関節拘縮→受動術。骨性インピンジメント→切除。足関節拘縮→切腱。

 

足部の疼痛:圧痛点で評価。癒合症は安静で自然軽快を待つ。改善ないなら手術。

舟状骨背側:第1Kohler病。原因不明、舟状骨壊死。1,2年で治癒。局所減圧の足底板。

舟状骨内側縁:有痛性外脛骨症、後脛骨筋腱付着部炎

踵骨-舟状骨間(二分靱帯あたり):舟状骨癒合症

載距突起:距踵骨癒合症

中足骨頭:Freiberg病(第2Kohler病)。中足頭骨壊死。骨片遊離してれば切除。

前距腓靭帯:捻挫後遺症

距骨後方:Sever病。骨端症。Xpでアキレス腱付着部の骨硬化。予後良好。

距骨滑車の内外足部;離断性骨軟骨炎。基本安静、保存。遊離骨片は切除。

足底:足底腱膜炎。付着部炎関連関節炎の初期症状でないか注意。

MRIで骨髄浮腫:疲労骨折、化膿性骨髄炎、慢性再発性多発性骨髄炎、白血病、悪性リンパ腫

 

・腓骨筋腱・後脛骨筋腱脱臼:多くは自然軽快。外傷契機で疼痛持続なら手術。

 

 

※歩行評価

Gait equinus (尖足度0-4度)

0度:踵-足尖歩行:踵からついて、つま先で蹴って進む

1度:全接地歩行:足底がペタンと同時に全接地する

2度:足尖-踵歩行:足尖から荷重し、踵が少しつく

3度:足尖歩行:踵を常に浮かせ、足尖で接地して歩く

4度:尖凹足歩行:凹側を合併した高度尖足歩行。(荷重時足先は真下)

Heel(踵の内外反):5~10外反が正常。

FPA(foot progression angle):進行方向に対しての足先の向き

Knee(膝の向き):内向きか、外向き

Hep(歩隔):wide based

Crouching():横から見た膝の角度

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

膝:屈曲制限・伸展制限・腫脹・疼痛

屈曲制限

・先天性:先天性膝関節脱臼。全身性疾患の合併に注意。徒手整復し最大屈曲でギプス固定。Curtis分類。重度なら手術

・後天性:ほとんどが生理的な反張膝(back knee)。幼児は歩行時に大腿四頭筋を使わず、後十字靭帯などの支持機構を使う。麻痺がないなら筋の発達に伴い自然に改善する。

大腿四頭筋の機能不全からの代償的な反張膝でないかの確認が必要。

進行性の反張膝なら、大腿骨遠位・脛骨近位の骨端線前方の早期閉鎖。Xpで確認。骨性架橋あれば切除。

 

伸展制限:原因。新生児~乳児なら生理的膝伸展制限(膝伸展平均は-15~-10度)を考える

・軟部組織:膝窩翼状片症候群。膝窩にweb(水かき様の皮膚)あり。解離術。

・半月板:円板状半月板。深屈曲→伸展→深屈曲でクリック。MRIで確定診断。

・大腿四頭筋:膝蓋骨形成不全、大腿四頭筋機能不全、麻痺、拘縮を疑う。

・膝蓋骨:先天性膝蓋骨脱臼。触診で評価。膝蓋骨を触れて屈曲させて外側へ脱臼したら習慣性膝蓋骨脱臼。エコーなど。手術は解離・縫縮・筋移行

・関節内病変:膝蓋跳動、関節穿刺で評価。関節液が黄色透明なら若年性特発性関節炎、膿性なら感染、血性なら出血性関節症障害を疑う。採血ではRA、感染、凝固異常を評価。

・骨系統疾患・腫瘍:画像で評価。

 

屈曲制限:大腿四頭筋か関節か

・診断は難しい。Xpで骨性の評価を行い、MRIで大腿四頭筋(化膿性筋炎・筋内血種)、関節軟骨(片肢性骨端異形成症)を評価する。

 

学童期以降の膝の屈伸制限

鑑別は円板状半月板、習慣性膝蓋骨脱臼(いつも脱臼)、反復性膝蓋骨脱臼(外力で脱臼)<patellar apprehension test>

爪膝蓋骨症候群:爪の形成不全、骨盤の正面Xpで腸骨にiliac hornを認める。

大腿四頭筋拘縮:大腿への注射の既往。筋肉内に索状物を触れる。

脳性麻痺:下肢腱反射亢進。Popliteal angle(40度以上で拘縮あり)

骨端線早期閉鎖:Xpで変形認める。

何も見つからなかったら全身全部調べる。

 

膝の腫脹

骨性・軟部性or関節水腫

骨軟部:Xpで骨性隆起あれば腫瘍、外骨腫・骨肉腫など疑う。

軟部:膝蓋嚢胞(popliteal cyst)。滑液包内の液体貯留。数年の自然経過で治癒が多い。

膝窩部にゴルフボール大の硬性腫瘤→猫ひっかき病によるリンパ節腫脹。

膝蓋骨前面:膝蓋骨前滑液包炎。膝蓋骨近位部に限局していたらsuprapatellar cyst疑う。

 

膝の痛み

圧痛部位により、Osgood Schlatter病(脛骨粗面)、Sinding Larsen病(膝蓋腱の膝蓋骨付着部)、鵞足炎(脛骨近位内側)、腓骨筋腱付着無炎を診断。

二分膝蓋骨:Xpで評価。

半月板損傷:MRIで評価。

離断性骨軟骨炎:MRIで評価。

注意するのは白血病、慢性再発性多発性骨髄炎、プロテインC・S欠乏症、傍骨端線限局性骨髄浮腫など。

 

小児外傷

小児外傷

 

足関節捻挫:前距腓靭帯捻挫

10歳以下は裂離骨折の頻度が高く、13歳以上は靱帯損傷が多い。

損傷のタイプ

  • 靱帯損傷型:靱帯実質部の損傷。10-15歳くらい。
  • 靱帯性裂離骨折型:10歳未満、前距腓靭帯付着部の裂離骨折。
  • 軟骨性裂離損傷型:10歳未満で特に幼弱な小児で損傷。

いずれも歩行は可能なことが多い。歩行不可能なら骨折・骨挫傷を考える。

 

外果の裂離骨折の評価

Xpの評価は正側+前距腓靭帯撮影(フィルムに足を乗せ、底屈45度、足底の内側を15度持ち上げ、外果先端をめがけてフィルムに垂直に照射する。)

 

裂離骨折があれば、固定は最低3週間。4週、可能なら6週固定。後に裂離が進行していく可能性があることを説明する。

 

 

大事、成人と異なる部分はリモデリングと成長障害

問診では疼痛場所を聴かないこともある(小児が怯えるため)。最低限の末梢神経・血管系だけを調べて検査に移行することもある。

 

上腕骨顆上骨折:循環障害・神経傷害・内反肘 この3点

循環障害

・激しい指先までの疼痛

・皮膚蒼白

・麻痺

・橈骨動脈触知

・しびれ感

 

神経傷害

・(橈骨神経・drop hand)手関節の背屈・MP関節の伸展

・(後骨間神経麻痺・drop finger)MP関節のみ伸展不可

 

・拳の握り込み

 母指と示指のIP関節屈曲障害(正中神経麻痺・屈曲障害)

 示指のDIP関節のみの屈曲障害(前骨間神経麻痺)

 

・小指・環指のMP関節過伸展(尺骨神経麻痺・claw hand)

・示指と中指を重ね合わせる動作(尺骨神経麻痺・crossing the finger test)

・母指と示指でのつまみ動作で母指IP関節屈曲(尺骨神経麻痺・Froment’s test)

でも、骨折して泣いている小児の神経診察はまともにできる?

 

発汗テスト:健側と比較、汗減少しすべすべ。知覚神経麻痺を合併した場合に生じる

母指・示指異常で正中神経障害、小趾異常で正中神経傷害

 

XP:正側・両斜位4方向。健側の正側

※撮影時には一緒に撮影。患健正側2方向の4枚。骨折はっきりしなければ斜位を追加

Baumann角:上腕骨長軸と外側骨端線(骨端部と骨幹端部)の角度(平均72度or18度)

Carrying angle :肘外偏角・内反度が健側と比較して5度以下なら整復の必要なし

Tilting angle:上腕骨小頭傾斜角。側面像。40度前後。上腕骨長軸とtear drop像との角

前方凸の伸展型の骨折で15度未満になっていれば整復

それと回旋転位の有無両斜位で確認。

 

 

説明:内反肘目標は健側と比較して5度以内

機能予後は良好

 

治療

シーネでもギプスでも

長くとも4週間以内の固定