病棟内でのアレコレ他、対称療法だったり、輸液だったり

・疼痛:商品名(一般名)。薬疹の副作用の既往は確認。
カロナール(アセトアミノフェン)頓服なら200㎎2~3Tか500㎎1T。4時間間隔(これで2400㎎/日)最大4000㎎/日まで。もしくは200㎎を9T3x。
(輸液ならアセリオ:1000㎎分15分かけてiv、座薬ならアンヒバ:⒑mg/kg、他にPL顆粒)
NSAID
ロキソニン(ロキソプロフェン):基本、早い、安い、鎮痛も抗炎症も。60mg屯用か3T3xか
ブルフェン(イブプロフェン);鎮痛。頭痛、咽頭痛、関節痛に200mg3T3xか屯用2回/日か
ボルタレン(ジクロフェナク):作用強い。副作用多い。作用遅め。術後疼痛や尿管結石に。
25mg9T3x(1回75㎎)か50㎎6T3x(1回100㎎)。速効性あるのは座薬(ボルタレンサポ)25㎎屯用、1日2回まで。眠気、めまい多いので運転禁止など。
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ロピオン(フルル~):唯一静注可能。速効。術後疼痛。50㎎/5ml+NS100mlを1時間でiv。系統はブルフェンと同じ。
セレコックス(セレコキシブ):COX2選択阻害、胃の副作用少なめ、長め。100㎎2T2x。術後疼痛に使う場合は初回400㎎、2回目以降200㎎、1日2回。6時間以上空ける。
。おまけ:ソランタール(チアラミド):作用も副作用も弱め。他が薬疹で使えない時に。
貼付剤:モーラス(ケトプロフェン)、ロキソニンテープと効果、違いは良く分からない。
テープ(薄い、1日1回)とパップ(プルプル1日2回、でもXRは1日1回):使い分けは感触がいい方で。もしくは、急性期の受傷直後の熱持ってるときはプルプルして水分含有量量の多いパップ使って、慢性期で熱持ってない時にテープ使うくらい。

・リリカ(ブレガバリン):25㎎1T眠前。漸増。漸減。神経障害性疼痛、しびれとかに。


オピオイド(非麻薬性/麻薬性):鎮痛に関与のは主にμ、次いでk、δは?どうでもよい
機序はこれらの受容体にオピオイドがくっついで、神経伝達が抑制、でなんか鎮痛。
大事なのは使い方。肝代謝
・弱オピオイド≒μ受容体の部分作動薬?
・ノルスパン(ブプレノフィン):テープ。変形性関節症、腰痛、慢性疼痛に使える。10㎎開始、漸増、20㎎まで。長くいける。7日毎に貼り替える。毎回貼付部位を変える。4週やってダメなら他の薬剤使う。
※同類にレペタン(ブプレノフィン塩酸塩)がある。こっちは座薬で術後に04mg8hで使用。

・ソセゴン(ペンタゾシン):μ、k、δ全部の受容体に部分的に作用する。モルヒネとは拮抗するので併用できない。ソセアタ(ソセゴン15㎎/1A+アタP25㎎/1A(悪心?)+NS50ml)で投与。

・トラマール(トラマドール):アセトセミノフェンと合剤のトラムセットが主。効果強くて麻薬に近い強さ(8Tで同等)があるので、副作用対策はしっかり。酸化Mg(200?)とノバミン5㎎を併用して眠前1Tから開始。

・強オピオイド
コデイン(メチルモルヒネ):(だいたい)リン酸コデイン→鎮咳薬として使われることの方が多いかも。1回20㎎(1日3回)。Ccrが50未満で15mg(45mg/日)、⒑未満で10㎎(30mg/日)

麻薬性:副作用強い→対応はしっかり。
オキノーム、オキシコンチン(オキシコドン):オキシコンチン10㎎/日くらいから漸増。オキノームは速放性製剤(レスキューに使う)2.5㎎/包。
モルヒネ:5~10㎎/回。1日15㎎まで。
フェンタニル:人工のμ受容体の完全作動薬。
制吐、抗便秘にノバミン(セレネーストラベルミンも可)、酸化Mgも処方する

※慢性疼痛
・ビリビリ、ジンジンする→サインバルタ(デュロキセチン、SNRI)下行疼痛抑制系の機能異常(慢性刺激でおかしくなってる?)を賦活化→アップするおで不眠の副作用。20㎎/日朝食後で開始して、漸増(1週間以上間隔開けて10㎎ずつ増量)
・電撃痛→リリカ(ブレガバリン):C線維からの1次ニューロンと2次ニューロン(脊髄後外側のCaイオンチャネルあたりを阻害して神経伝達物質の放出抑制)、75㎎/回、1日2回。1週間以上かけて300㎎/日まで増量。
・漢方なら越婢加朮湯(28番)

・発熱
抗炎症ならカロナール300~500㎎屯用。
ざっくりワークアップ
 
・不眠:ベンゾジアゼピン系(BZ)かそれ以外か。
BZ
・超短時間
マイスリー:服用後1,2時間で効いて、5、6時間後に目覚める。入院患者だと、8時に飲んで10時に効いて寝て、3時くらいに目覚める。筋弛緩も(ふらつき少ないって話だけど)結構あって、ふらついて転倒→入院では基本使わない。外来でももう使わない。
→非BZのルネスタを使う。退薬しやすい。依存しにくい。長期可能。朝の口の苦みは起床時の歯磨きで対応する。

・中時間
レンドルミン(ブロちチゾラム):半減期7時間で10時間くらい効く。8時に飲んで翌朝までいける。入院中の睡眠薬はこれ。そもそも、老人の睡眠時間は5時間くらいで大丈夫。入院中の睡眠形態は老人の睡眠にそぐなわないものなので、無理くり寝るしかない。

・ベルソムラ(オレキシン受容体拮抗薬):今後はこれが多く使われるかも。入眠障害中途覚醒もどっちもいける。併用禁忌多いけど、実際はあんまり気にしないらしい。効果出るのに1~2時間かかるらしいので、それは伝える。8時に飲んで10時に寝る感じ。副作用で悪夢があるのでそれも伝える。あと、効果は長いので中途覚醒したものには飲ませない。
※おまけ:ロゼレム(メラトニン受容体作動薬):だいぶマイルドなやつ。昼夜逆転した人に性状リズムのメラトニン産生を促して入眠に導く。効果は遅い。時差ボケに使える。

デパスに関して。BZの中では抗不安、筋弛緩作用の方が強い。だから睡眠薬よりも、ストレス性の緊張頭痛とかに使える。筋弛緩→腰痛にもいけたりする。

・せん妄
まずは予防。昼起きて、陽の光をきっちり浴びるようにする。
薬はセレネース(ハロペリドール):第一世代の抗精神病薬錐体外路の副作用あるけど、静注可能なのはこいつだけ。錐体外路症状が出やすい人とかならアキネトン(抗コリン)1/2Aを一緒に入れることで対応できる。1A+NS50mlを30分で投与。
他にはセロクエル(クエチアピン)25㎎は筋注のタイプのがあるからそっちも使える。第2世代。ただ、実際は精神科の専門の人以外は使ってなさそうなので、周りに合わせてセレネースが無難?
もういっこ、第二世代のリスパダール(リスペリドン)、ジプレキサ(オランザピン)には口腔内崩壊錠があるので、暴れて筋注とか静注とかできない人の口の中にぽいっと入れることも可能。ただし、リスパダールは腎機能ダメな人には使いにくいし、ジプレキサ(経口)は糖尿病患者には禁忌(筋注は使える)ので注意は必要。
3つのうちどれかっを採用する。


・嘔気
嘔吐薬
制吐薬:
一般的には、D2受容体を遮断するプリンペラン(メトクロプラミド)、コントミン(クロルプロマジン)を使う。
プリンペラン(メトクロプラミド):中枢にも末梢にもどっちにも効く。飲んで吐きそうな時は10mg/2mlを筋注
コントミン(クロルプロマジン):悪心、嘔吐の他、吃逆、鎮痛、鎮静作用も色々あるので調子に乗って使いすぎると過鎮静で日中の傾眠になってしまうので注意。
嘔気・吃逆が強い時は
ノバミン(プロクロルペラジン):術後の悪心・嘔吐に。他にセレネースとか
カイトリル、アロキシ、イメンド:抗腫瘍薬の制吐剤として使用。

抗めまい薬:メリスロンセファドール

※詳しく
アセチルコリン(M1)受容体(嘔吐中枢→嘔吐の所)に効く、ブスコパン
ドパミン(D2)受容体(CTZ、消化管→嘔吐中枢)に効くプリンペランナウゼリン、ノバミン、セレネース
ヒスタミン(H1)受容体(前庭神経核→嘔吐中枢)に効くトラベルミン、ドラマミン
セロトニン(5-HT3)受容体(諸臓器、炎症→嘔吐中枢)に効くカイトリル、ゾフラン
・ニューロキン(NH1)受容体(疑核周辺部網様体→嘔吐中枢)に効くイメンド
色々あるけど、これらを考慮するのはむしろ抗腫瘍薬の副作用の嘔気を押さえる時。

・便秘
・酸化Mg:浸透圧で腸管内に水を引き込み便を軟らかくする。500㎎数回頓服、自己調節
プルゼニド(センノシド):大腸刺激して腸管運動促進。12㎎1T1x眠前。耐性できがち
同効のものにラキゾベロン(ビコスルファート)1日1回15滴(7.5㎎)、テレミンソフト(座薬)
・アミティーザ(ジオク~):小腸で働いて小腸内の水分増やして便を柔軟化24μg1日2回 
・マグコロール、ニフレック:大腸検査で使用。

・下痢:整腸剤
ビオフェルミン(ラクトミン):ベース。1錠1g1日3回。
・ラックビー(ビフィズス菌)とかミヤBM(酪酸菌)とかビオスリー(酪酸菌配合)色々。基本なんでもいい?
ただし、抗菌薬使用中なら、基本みんな殺されるので抗菌薬耐性のビオフェルミンRを使用する。


・利尿薬
ループ利尿薬:Na-K-2Cl共輸送体阻害で浸透圧利尿。腎不全、心不全、浮腫改善の時に。
ラシックス:40㎎1日1回。
・ダイアート(アゾセミド):60㎎1日1回。
・ルプラック(トラセミド):4㎎1日1回。

サイアザイド利尿薬:遠位尿細管の頭でNa-Cl共輸送を阻害。Naの再吸収抑制。降圧の方
・フルイトラン(トリクロルメチアジド)1日2~8㎎を1,2回に分服。覚えておきたいのは、これがなんでか知らんけど、長期連用により近位尿細管でのCa再吸収が増えて、尿中Ca排泄を減らして血中Ca濃度高値→骨粗鬆症には良い方に向かうということ。
※遠位尿細管でのClベースのCa再吸収で考えると頭こんがらがるので深くは考えない。

K保持性利尿薬:遠位尿細管末でのNa再吸収を抑制+Aldも抑制
→抗Ald状態ならKの排出は抑制されて、Kが保持される。
・アルダクトン(スピロノラクトン)、セララ(エプレレノン)1日50~100㎎分割投与で漸減。 

バソプレシン拮抗薬:選択的V2受容体拮抗作用。
ムスカ(トルバプタン):他でダメな時に使う。1日1回15㎎。血清Naのモニター必要。


・糖尿病薬
インスリン製剤:1単位でだいたい血糖が50mg/dl下がるイメージ。
超速効型:ノボラピッド、ヒューマログ、アピドラ
速効型:ノボリンR、ヒューマリンR
混合製剤:ノボラピッドミックス、ヒューマログミックス、ライゾデグ
中間型:ノボリンN、ヒューマリンN
持効型:ランタスランタスXR、トレシーバ

経口血糖降下薬
インスリン分泌促進薬:だいたいDPP-4阻害薬でよい。
・SU薬:スルホニルウレア。グリメピド。BMI低いし、食事もばっちり、なのにインスリン分泌量少なくて高血糖、こんな時に使う。けど、こんな例はほとんどないしあんまり使われない。低血糖も起こしがちになるので使いたくない。

・グリニド系:速効型インスリン分泌促進。ナテグリニド(グルファスト)。これも低血糖発作起こしうるのであんまり使わない。

☆DPP-4阻害薬:インクレチン関連薬。インスリン分泌を促進するインクレチン(小腸から分泌)を分解するDPP-4酵素を阻害する。インスリンを出したい時(高血糖時)によりたくさんインクレチンが分泌されるし、出したくない時(低血糖時)はそもそもインクレチンがあまり出ないから薬の効果もあまりない。つまり、低血糖発作を(単剤では)起こしにくい。
ジャヌビア50mg/回/日、エクア50㎎2T2x、テネリア20㎎1T1x、ビクトーザ0.3㎎皮下注
※トラゼンタ5mg1T1x→便中排泄なので腎機能が低下していても通常量でいける。他のは腎機能に合わせて容量調節が必要、でもちょっと高い。
 
インスリン抵抗改善系
・ビグアナイド(BG)系:肝臓で糖新生の抑制。筋・脂肪組織でのインスリン感受性改善。
・メトグルコ:初期250mg2T2x。維持1日750~1000㎎。ヨード造影剤のあれ。

チアゾリジン系:脂肪組織でのインスリン抵抗性改善
アクトス15㎎朝食前後どっちか。あまり聞かない。パッとしない。

糖の吸収・排泄調節
αグルコシダーゼ阻害(αGI):だいたい消化管のどっかで糖の分解・吸収を抑制。
ベイスン0.2mg3T3x、グルコバイ100㎎3T3x、セイブル50㎎3T3x。全部毎食直前。

SGLT-2阻害薬:腎での再吸収促進による尿中ブドウ糖排泄促進
カナグル100㎎1T1x。ジャディアンス10mg1T1x、ルセフィ2.5㎎1T1x。朝食前後どっちか


・降圧薬

・昇圧薬


ステロイド:イメージ程度
グルココルチコイド:ベース。グルコの作用のみ
↓ミネラル(Ald)作用を追加
コルチゾール(ヒドロコルチゾン):グルコとAldが1:1の割合。自然、内因性に近い。浮腫る
↓グルコ作用4倍          ↑サクシゾン・ソルコーテフもこの辺
プレドニゾロン(PSL):コルチゾールよりは浮腫りにくいけど、やっぱり浮腫る。
↓グルコ4倍のまま、Aldを0.01倍に=分量増やせる。
メチルプレドニゾロン(ソル・メドロール):心不全で中等量入れる時に。パルスも可
↓さらにグルコ強化(コルチゾールの25倍)
デキサメタゾン(デカドロン):パルス可能、長時間作用。でも副腎抑制するのも大きい
ベタメタゾン(リンデロン):
リンデロン分類:基本は湿疹とか皮膚炎とか炎症起こしてるところに使って抗炎症。
・A→weakで抗菌作用のものとの合剤。顔の周り、眼・耳・鼻などの細菌感染に
・V→strongで手足、体幹などで皮膚が薄い部分にも使える。
・VG→VにG(ゲンタマイシン)配合→化膿しているところにも使える。
・DP→very strongで手足、体幹など皮膚の厚い部分に使う。血管収縮作用で抗炎症。他

※ケナコルトA(トリアムシノロン)メチルプレドニゾロンとだいたい同じくらいの立ち位置?
関節炎にたいして関節内注射で抗炎症、鎮痛作用。

 


・軟膏
ワセリン:白色ワセリン。ただの皮膚の保湿だけしたいとき。
ヒルドイド・ビーソフテン(ヘパリン類似):クリーム、ローションは好み。角質の水分保持
オイラックス(クロタトミン):鎮痒剤。オイラックスHはステロイド含有なので感染・潰瘍・熱傷者には無印のものを使用する。
☆皮膚潰瘍治療薬→白糖(創傷治癒促進)+ポビドンヨード:ユーパスタ、ネグミンシュガー、メイスパン、イソジンシュガー色々あるけど、全部一緒。
別の効果のゲーベンクリーム(スルファジアジン銀):銀による抗菌作用で潰瘍治療。
※エキザルベ:これも皮膚潰瘍治療薬だけど、混合死菌浮遊液・ヒドロコルチゾン配合ってやつ。死菌により局所感染予防になるらしい。でも、皮膚刺激症状はしっかりある。


・輸液:1日水分量→尿+不感蒸泄+糞便中水分-代謝水=30ml/kg(50kgなら1500ml)
Na:1g→17mEq。3g→51≒50mEq、無難な量としてNa4.5g/日くらい輸液
→75mEq→生食(Na,154mEq/L)500ml。つまり生食1本で1日分は無難に補充できる。
☆低Na血症:①Na欠乏(水もちょっと欠乏)、②水過剰(Na正常)、③水Na過剰(水がより過剰)、④偽性(脂肪などで水分上乗せされてるだけ)


K:

 


・栄養
基礎エネルギー量(BEE):Harris-Benedictは無理→25x体重→(50㎏なら)1250kcal/日で計算
これに、活動係数AF(ベッド上安静なら1.2、ベッド外なら1.3)と障害因子SF(長管骨骨折、癌、多発外傷、熱傷なら1.3色々誤差あり)をかけて計算。普通なら1500kcalとか。
るいそうとかでこの計算は大事。
具体的な中身(1日分)
水分:尿+不感蒸泄+糞便中水分-代謝水=30ml/kg(50kgなら1500ml)
カロリー:25x体重xAFxSF
アミノ酸:体重x障害因子SF(1~2):50㎏で50g→200kcal
脂肪:総投与エネの20~50%(0.5~1.0g/kg→50㎏で25~50g→225~450kcal)
糖:総エネ(1500)-アミノ酸(200)-脂肪(300)=1000kcalくらい?
NPC/N(非蛋白カロリー/窒素量):1500-200/50x0.16=1300/8=160くらい。普通はだいたい150~200目安。ICUとか侵襲多めの時は蛋白多めで、100。腎不全で蛋白制限するなら蛋白少な目で300くらい。で考える。
※50(体重)x0.16(タンパク質中の窒素量の平均値らしい)
☆絶食時はこれプラス、ビタミン(ビタメジン)と微量元素(エレメンミック、ミネラミック)を加える。

サンプル:高カロリー輸液
<70%ブドウ糖液350ml→ブドウ糖245g→980kcal>
<アミパレン400ml→アミノ酸40g→160kcal>
<イントラリポス10%250ml→脂肪25g→225kcal>
+ビタメジン、エレンミック
→計1465kcal

経腸栄養:
径静脈栄養(末梢):
径静脈栄養(中心):


抗うつ薬