外傷:上肢

外傷:上肢

※橈骨遠位端骨折
受傷機転
視診:Colles骨折(手と指でコ)手が上。Smith骨折(手と腕肘でS)手が下。肉眼的変形。
見た目で分からない軽度のものは圧痛確認。画像
圧痛部位:橈骨茎状突起、リスター結節、尺骨茎状突起(尺側の確認も)
知覚:正中神経(骨折片の圧迫による手根管症候群)あたりのしびれ
運動:母指の伸展可能か(長母指伸筋腱の断裂の確認)


Xp:患側は手関節の正・側の2方向,健側は正側2方向。AO分類
→はっきりしない場合にはCTを追加。
整復:麻酔大事。骨折部局所麻酔、腋窩神経ブロック、(静脈区域麻酔)。麻酔は整復前には必ずする。血腫内麻酔はリドカイン2%,5mlor10ml?。評価は一般的に透視。関節内骨折などで透視下に整復できない場合は鏡視下、直視下の手術も考慮。

Colles骨折:肘屈曲、前腕回内。両手で手を持って、両母指を骨片の背側に。手関節部を遠位方向に引きながら手関節を掌屈尺屈させて、同時に両母指で骨片を押し込んで整復。
その後固定。肢位は肘屈曲、前腕中間、手関節中間~軽度背屈位?。上腕~手で2週間ギプス固定:腫脹あるなら(だいたいありそう)、シーネ固定(シュガートング)。⇒プレート固定⇒再度シーネ⇒抜糸(10~14日)⇒リストサポーター装着⇒1年くらい後に抜釘
※2週以上経過したら皮膚の線維化起こって、抜糸の痕が穴になる。

治療:8割程度は保存的に治療。2割程度で手術(プレート固定)。
☆手術の割合は増加傾向。
利き手の骨折だったり、活動性高い人の場合、手術おすすめ
他には不安定型か否か
☆Cooneyの基準(佐々木のは使いにくそう)の不安定型
20度以上の背屈変形もしくは高度の関節内障害があり、整復位を保つのが困難な高度粉砕型骨折。
→こんな時に手術をすすめる。
手術するならできるだけ早期、遅くとも3週間以内。掌側ロッキングプレート固定が主。

腫脹が強い、強くなりそうな場合には整復後にシュガートングギプス。
掌屈or背屈どっちの固定にするかは?な状態。
・シュガートング:手背から肘で折り返して手掌まで固定。弾力包帯で遠位から近位に向かってシーネを固定(母示指間にも巻く、肘もしっかり)。手掌部分はしっかりと両母指でモールディング。手指のMP関節がしっかり動くことを確認。
・前腕ギプス:ストッキネット装着(親指が出るように)。綿の下巻き包帯(遠位から)。gギプス巻き(母示指間は分厚くならないように1cmほど残して切って巻く、2回巻く)。肘下(前腕だけ)まで巻いて一旦切離。ストッキネットの上下端を折り返し→残りのギプスを巻いていく。最後に両母指でモールディング。MP関節の動き確認。

経過:
~1週間:手指関節だけ動かす。腕は等尺性運動(関節を動かさない筋肉だけの運動)のみで拘縮予防。手指の浮腫などはよく認める。マッサージなどで対応
1~2週:骨癒合開始。プレートなら可動域訓練。ギプスなら手関節はまだ動かさない。正中神経領域のしびれの確認。CRPSに注意して疼痛コントロールはしっかり行う。
4~6週:徐々に癒合してきて骨折線が不明瞭になる。骨折線が消えたら徐々に荷重開始(ギプスの場合)。骨折部に圧痛や不安定性がなければギプスを除去。術後なら筋力強化
6~8週~12週:だいたいこの辺りで骨折線は消失してる。この時期に骨折線を認める場合には骨癒合遷延と判断する。
だいたい3カ月で全荷重可能。

6カ月後までには関節可動域、握力は十分回復。1年以上かけてて緩徐に回復。


保存療法の合併症:手根管症候群、複合性局所疼痛症候群(CRPS)、尺側部痛、関節変形 、皮膚障害、関節拘縮
手術療法の合併症:手根管症候群、複合性局所疼痛症候群(CRPS)、尺側部痛、関節変形 、皮膚障害、関節拘縮、長母指屈・伸筋腱断裂(0-30%),
手術した方が手根管症候群CRPSなどの発生率が⒑→5%くらいに減るけど、腱断裂(15%)や感染などのリスクが出てくる。

 


舟状骨骨折
受傷機転:手首を強くつく
視診:腫脹の程度は様々
疼痛:圧痛→☆嗅ぎタバコ窩の圧痛。動作時痛→つまみ動作、前腕回外動作