診療:上肢

診療:上肢

・肩関節:神経の所見も大事。健側と比較すること
問診:年齢・発症様式はやっぱり大事。
視診:腫脹・発赤の炎症所見。筋委縮(僧帽筋三角筋、棘下筋)

触診:
圧痛部位(順番はルーチンで覚える)。
胸鎖関節→鎖骨→肩鎖関節→肩峰→上腕骨大結節→結節間溝→上腕骨小結節→烏口突起(鎖骨の2.5cm下方、深部)
次に斜角筋→鎖骨上窩→僧帽筋→肩甲挙筋→棘下筋→三角筋上腕二頭筋の順で圧痛確認
同時に筋委縮・局所熱感も確認。
肘関節を自動屈曲させて上腕二頭筋筋腹の遠位への移動確認であったら、長頭筋腱断裂。

検査:腱板評価のための徒手検査(多すぎ、症状に合わせて検査を選択する)、画像検査
・可動域:肩関節の屈曲(180)・伸展(50)・外転(180)・内転(0)・外旋(60)・内旋(80)の自動・他動的評価、疼痛の有無も確認。
※内外旋は肘90度屈曲でパタパタする感じ
Drop arm sign:他動的に90度外転位にしてその位置での上肢保持。
・インピンジメントテスト<上腕骨大結節が,肩峰および烏口肩峰靱帯と衝突>
 Neerテスト:肩甲骨を押さえて、前腕回内位で他動的に腕を最大挙上で疼痛誘発で+
 Howkinsテスト:肩肘ともに90度屈曲で肩を内旋させて疼痛誘発で+
・棘上筋テスト:肩90度外転、水平屈曲30度で肩関節内旋に抵抗かけて疼痛誘発で+
・棘下筋テスト:上腕下垂位で肘関節を90度屈曲し、肩外旋させて筋力低下あれば+
・肩甲下筋テストの
Bellyテスト:肘90度屈曲で腹押さえる。正常なら手関節中間位で○、肩内旋制限で手屈曲
Lift offテスト:手を背中につけ肘を90度屈曲、背中から離せなければ陽性
上腕二頭筋長頭筋腱疼痛誘発テスト
 Speedテスト:肩90度、肘伸展位で手を下に押す。疼痛誘発で陽性
 Yergasonテスト:肩肘90度、回内回外中間位。回内方向に力を加えて抵抗。疼痛で陽性
・肩鎖関節疼痛誘発テスト
 Cross body adductionテスト:肘伸展、肩関節水平屈曲位で疼痛誘発で陽性

肩関節脱臼での不安定性評価
・前方・後方引き出しテスト:肩関節30~90度、かつ外旋0~90度で前方と後方の動揺性。
動きなし:0、関節窩を超えない:1、関節窩に乗り上げる:2、脱臼する:3
・下方動揺性テスト:上腕を下方牽引し、肩峰骨頭間距離を計測。
0cm:0, 0-1cm:1+, 1-2cm:2+, 2cm以上:3+
・前方脱臼不安感テスト:肩90度外転、外旋90度で水平伸展で不安定感あるか。
・後方脱臼不安感テスト:肩90度屈曲位で水平屈曲強制した時に不安定感あるか。
・SLAP損傷疼痛誘発テスト:肩90度屈曲、内転10度で前腕を回内・回外させた状態で下に押さえる。回内でより疼痛が強い場合に陽性。

腕神経叢評価(胸郭出口部)
・Tinel徴候:圧迫は斜角筋三角上方部から鎖骨上窩斜角筋付着部における腕神経叢の圧迫による圧痛と放散痛を調べる(Morleyテスト)。
局所圧痛1+、上腕まで放散痛2+、主旨まで放散痛3+
 肘部管・手根管でも確認する。
・90度外転外旋位症状誘発テスト:肩90度外転外旋、肘90度屈曲。ボール投げる感じ?症状の再現や増悪があれば陽性。
・3分間挙上負荷試験:座位で肩90度外転外旋、肘90度屈曲。手指を3分間屈曲運動。
・上肢下方症状誘発テスト:上肢を下方牽引して腕神経叢に牽引負荷。症状再現・増悪。
・上肢保持症状改善テスト:肩甲帯を挙上保持(首すくめ?)して、腕神経叢の緊張を緩めて症状の消失、改善が認められるか。認めたら陽性。
・脈管圧迫テスト:腕神経叢圧迫型の胸郭出口症候群(TOS)で有用。
  Adsonテスト:座位で橈骨動脈を触知しながら、頸椎を患側に回旋させて深呼吸(上下から圧迫させて)拍動の消失・減少を確認。
 Wrightテスト:座位で(橈骨動脈触知しながら)肩外転90度、外旋90度、肘屈曲90度(降参のポーズ)で拍動の減弱・消失で陽性
 Edenテスト:座位で(橈骨動脈触知しながら)胸張って、両上肢を後下方に引いた時の拍動の減弱・消失で陽性

 
・神経学的評価:頸椎の運動痛と放散痛を確認。
上下肢の感覚・筋力・深部腱反射を確認。
※感覚神経障害あったら、腋窩神経感覚領域、筋皮神経感覚領域にも留意する。

☆画像検査
X線:肩関節の前後像(下垂位と外転位の2つ)、軸写(上下像)、肩甲骨軸写像(Y view)の4方向。→骨折、石灰性腱炎、変形性、腱板断裂(陳旧性)などの評価に。
MRI:肩関節冠状断・矢状断・水平断のT1, T2, 脂肪抑制。
腱板、関節包、関節唇などの軟部組織の損傷形態診断に必須。
CT:骨折、脱臼、変形性関節症に。
超音波:腱板損傷の診断に有用。動的な評価が可能、すぐできる。便利。


合併症(説明):
治療:

腱関節周囲炎と肩峰下インピンジメント症候群。多い。除外診断が大切。
・腱関節周囲炎:50~60代。よくわからんけど、疼痛と運動制限。
・肩峰下インピンジメント症候群:肩の使い過ぎ。腱板に炎症と浮腫。挙上時に疼痛誘発。徒手検査とエコー、MRIを撮影する閾値をどうするか。
・肩腱板損傷:疼痛と挙上困難。高齢は加齢による変性。若年は投球。
・石灰性肩炎:40~60代。急性発症で激痛。X線が○。

・肩関節前方脱臼(外傷性・反復性):肩の外転・外旋・伸展で。
・上方関節唇損傷:若年。ピッチャー。
・変形性肩関節症:高齢。X線。
・関節リウマチ肩:中高年。リウマチの好発部位。
・化膿性肩関節炎:局所熱感、腫脹などの炎症所見。関節内注射の既往を確認。
・上腕骨近位部骨折:高齢者の転倒。骨粗鬆症でも。


・肘関節:骨(変性、骨折、リウマチ)、軟部組織(靭帯損傷)、神経(絞扼性)、小児の肘内障

機転:
問診:年齢と発症様式
視診:左右の比較、伸展させて変形や炎症所見の確認、筋委縮ないかも。内外反肘の確認
触診:圧痛部位の確認。超大事。ここで当たりをつける。
橈側:外側上顆(テニス肘)、上腕骨小頭(離断性骨軟骨炎)
尺側:内側上顆(野球肘)、内側側副靭帯
肘頭周辺(変形性関節症)
徒手検査:疼痛誘発試験。
 外側上顆(テニス肘):Thomsenテスト(手関節背屈で掌屈方向に抵抗)、チェアーテスト(前腕回内・肘伸展で椅子持ち上げ)、中指伸展テスト(中指まで伸ばす→中指屈曲に抵抗)
 靭帯:内反・外反ストレステスト(内側・外側側副靭帯損傷、骨折・脱臼・偽関節・RA) 
尺側(神経):Tinel様徴候(肘の神経絞扼部を叩打で末梢にピリっ)
可動域ROM:屈曲(145度)、伸展(0度)、回内(90度)、回外(90度)
※回内・回外は患者に鉛筆など握ってもらって、垂線との角度を測る。
・画像検査:Xpの健・患、正面(伸展)・側面(屈曲)の計4つ。
内反・外反肘ありそうなら、carrying angle(上腕骨長軸と尺骨長軸の角度)
追加Xp
・肘部管症候群疑いなら、尺骨神経溝撮影(内側上顆周辺部の骨軟部の骨性変化の確認)
・離断性骨軟骨炎(上腕骨小頭)疑いなら45度屈曲位正面像(上腕骨中心、tangential view)
・外傷なら場合によっては前腕のXpも検討。
CT:変形性関節症や関節リウマチなど
MRI:骨軟部腫瘍や離断性骨軟骨炎の評価など、神経・滑膜の評価も。
超音波:肘部管の神経の評価。パワードプラでリウマチ(滑膜)の評価も。

鑑別:
合併症(説明):
治療:

診療:腰背部

診療:腰背部

腰痛;大事なのは3種類のトリアージ
発症年齢が20才以下か55歳以上。体重減少。時間や活動性に関係ない腰痛。
広範囲に及ぶ神経症状。胸部痛。脊椎変形。
癌・ステロイドHIV感染の既往。発熱。栄養不良。
⇒Red flag  画像、血液検査で精査<腫瘍、感染、骨折>
神経症状を伴うか
神経症状:急速進行性、明らかな筋力低下を合併、膀胱直腸障害
神経根症状:片側の下肢痛が腰痛よりも強い、足部や足趾に放散する疼痛、同じ部位のしびれと感覚低下、下肢伸展挙上テスト陽性
⇒画像診断、危険信号・心因性要素の再評価
それ以外
非特異的腰痛として4~6週の保存的治療
 ⇒効果不良な場合に初めて画像検査


基本:
問診:AMPLEの他。大事なのが発症年齢と発症の契機<最後に記載>
視診:歩行の状態、苦痛の有無。脊椎の変形(斜頚、側彎など)、皮膚病変(カフェオレ斑、帯状疱疹)、筋委縮。脊柱の前後屈、側屈、回旋運動。運動制限あったらそれが疼痛性(ヘルニアなど)か不撓性(強直性脊椎炎など)か。

触診:配列と圧痛/叩打痛と脈拍
 棘突起の配列を確認して脊椎の変形(側彎・階段状変形)を調べる。
 棘突起、傍脊柱筋、肋骨脊柱角、坐骨神経の圧痛/叩打痛を調べる。
 間欠跛行あったら、足背動脈、後脛骨動脈、膝窩動脈を触診。
検査:徒手検査と画像検査
徒手検査
 Jacksonテスト:頸椎軽度伸展で軸方向に圧迫→神経根圧迫で患側上肢に放散痛。
 Spurlingテスト:頸椎軽度伸展で患側に屈曲→神経根圧迫で患側上肢に放散痛。
 SLRテスト:仰臥位で下肢伸展挙上。坐骨神経に沿った下肢痛誘発。L4~S1で。
 FNSテスト:大腿神経伸展テスト。腹臥位で膝曲げて、股関節伸展。L2~L4で。
 Kempテスト:立位。体幹を患側に側屈の状態で後屈。下肢痛誘発。椎間孔狭窄
・画像検査
 だいたいX線は撮影(正側2方向)、脊髄病変疑う(ヘルニア、脊柱管狭窄症など)ならMRI、ミエログラフィ(脊髄造影)。腫瘍ならシンチ、化膿性脊椎炎ならX線、MRIなど。側弯症なら全脊椎正面像。すべり症なら前後屈でのX線側面像。靭帯骨化症ならCT。
☆骨折(早期)疑いなら、必ず脂肪抑制(STIR)を撮影する。

発症
・生後1週頃から頸部の腫瘤(胸鎖乳突筋内、拘縮)と斜頸位→先天性筋性斜頸(首は患側、顔は健側に傾く)
・小児~思春期の男児のスポーツ→腰椎分離症(第5腰椎に多い。X線斜位像。急性期ならコルセットで治療可能)
・思春期の女子→脊柱側彎(前屈時の背部肋骨隆起)。特発性が多い。

・20~40代→腰椎椎間板ヘルニア。腰痛・下肢痛(坐骨神経痛)。SLR/FNSTテスト。咳やくしゃみで響くような症状のDejerine sign。検査はMRIが最も有効。次いでCT。
治療は基本保存治療<NSAIDs、トラムセット、リリカなど>。膀胱直腸障害→手術。
「症状の進行で筋力低下や尿・便が出づらくなったりするので要チェック。その時手術」
 鑑別に仙腸関節障害もある→仙腸関節に一致した圧痛。保存治療。

・30~50代→頸椎椎間板ヘルニア。頸部から背部・上肢に放散痛(神経根症状)。四肢の痙性麻痺(脊髄症状)。神経根障害例にJacksonテスト、Spurlingテスト。

・中高年→腰部脊柱管狭窄症。馬尾性間欠性跛行(前かがみで軽快)。進行例では膀胱直腸障害あり。ASOとの鑑別が重要。

・中高年→頸椎性脊髄症(頚髄症)。徐々に進行する四肢の痙性麻痺。初期は四肢のしびれ感、巧緻運動障害(はし)、痙性歩行(階段歩行困難)

・中高年(女性)→腰椎変性すべり症。腰部脊柱管狭窄症の原因になる。分離すべり症もあるけど、こっちは分離症の症状(神経根症状の下肢痛), Xp側面像でのすべり。

・閉経後女性→骨粗鬆性椎体骨折。胸腰椎移行部に多い。どこでも骨折起こしうる。

原因別
・外傷(?)→靭帯硬化症。後縦靭帯骨化症黄色靭帯骨化症。脊髄圧迫で痙性麻痺症状。
・糖尿病、腫瘍に合併(日和見感染)→化膿性脊椎炎。激しい腰背部痛と発熱。転移性脊椎腫瘍と脊椎カリエスとの鑑別が重要。
・悪性腫瘍+夜間痛→転移性脊椎腫瘍。進行性の腰背部痛。夜間・安静時痛。かなりの苦痛。腫瘍の進展で脊髄症状や神経根性疼痛が生じる。

☆腰痛
まずはRed flagを確認。
発症年齢が20才以下か55歳以上。体重減少。時間や活動性に関係ない腰痛。
広範囲に及ぶ神経症状。胸部痛。脊椎変形。
癌・ステロイドHIV感染の既往。発熱。栄養不良。
※大事なのは腫瘍、感染(炎症)、外傷(骨折)、神経症状などの大事なものを鑑別・除外すること。
腫瘍・感染:破壊性脊椎病変→脊椎正中の棘突起の叩打痛。体動で軽快しない(楽な姿勢がない腰痛もヤバい)→高齢者でそんな症状がある時は骨盤正面像(腫瘍の転移が多い)Xpも撮影する。
腸腰筋膿瘍:股関節屈曲位。発熱、CRP上昇。強度の痛み。
神経症状:ヘルニアなどでも神経症状(特に膀胱直腸障害がある場合など)は緊急手術が必要になる場合がある。SLRやFNSTなどのテストも大事。
他のやつ:大動脈解離→背中の移動痛、腹部症状、冷や汗かく強い痛み→造影CTへ。
多発性骨髄腫→腰部以外に胸部、四肢にも痛みがある場合、他には貧血、高Ca血症、腎障害がある場合に考える。

非特異的腰痛なら基本保存的治療。
疼痛にはアセトアミノフェン(高齢者は腎機能が悪くなりがちなので)
治療のゴールドスタンダードはない。自然軽快もある。大事なのは危険な徴候を見逃さないこと。(腫瘍・血液・内科疾患なら)専門医へのコンサルトができること、

※しびれなど神経症状があって、腰部脊柱管狭窄症などの診断がついてたら
治療
リマプロスト(5)3T3x:PGE1製剤、血流改善
メチコバール(500)3T3x:vitB12

腰部脊柱管狭窄症診断サポートツール 評価項目 判定(スコア)
病歴
年齢 60歳未満(0) 60~70歳(1) 71歳以上(2)
    糖尿病の既往 あり(0) なし(1)
問診
間欠跛行 あり(3) なし(0)
立位で下肢症状が悪化 あり(2) なし(0)
 前屈で下肢症状が軽快 あり(3) なし(0)
身体所見
前屈による症状出現 あり(-1) なし(0)
後屈による症状出現 あり(1) なし(0)
ABI 0.9 以上(3) 未満(0)
ATR低下・消失 あり(1) 正常(0)
SLRテスト 陽性(-2) 陰性(0)
合計点数が7点以上の場合は,腰部脊柱管狭窄症である可能性が高い.

機転:
視診:
問診:
触診:
検査:
鑑別:
合併症(説明):
治療:


機転:
視診:
問診:
触診:
検査:
鑑別:
合併症(説明):
治療:


機転:
視診:
問診:
触診:
検査:
鑑別:
合併症(説明):
治療:

診療:下肢

診療:下肢

・下腿・足関節・足部

視診:歩行の動き、リズム、足の向き
凸足<Peek-A-Boo sign:後足部を正面から見たときに足関節内側に踵部脂肪組織、fat pad が見える>
偏平足<too-many-toes sign:後足部を後ろから見たときに足趾が2本以上見える。>
+偏平足なら片脚つま先立ちテスト<つま先立ちできないか、踵部が回外せずに回内したままの状態>
+下肢のアライメントもチェック。


問診:特に外傷歴・スポーツ歴。RA, DM, 高尿酸血症などの既往歴も。履物も。
・主訴:場所、症状の性質(疼痛、しびれ、知覚)
・現病歴:思い当たる原因。外傷なら受傷機転→ここまで(頭部受傷の記載も)
外傷以外→疼痛なら運動時or安静時、他院への受診歴、治療内容、歩行可能だったか
・既往歴:特に関節リウマチ、痛風、外傷歴、糖尿病、動脈閉塞性疾患、(結核
・職業:昔の職業も。足への負担確認。。・趣味:特にスポーツ歴、スポーツ外傷、靴
※足が痛い→関節か筋か、足か下肢か腰か、手の関節も含むか、しびれもあるか、どんなときに痛いか(歩行時、安静時、夜間)


☆☆触診:圧痛部位から診断できることが多い。


検査
計測:ROM。底屈(45度)、背屈(20度)。外転(10度)、内転(20度)。外返し(外反20度)、打返(内反30度、捻挫の方向)
徒手検査:
Thompson把握テスト:腹臥位、膝屈曲、下腿三頭筋を把握、底屈しなければ断裂、陽性
Mulder徴候:Morton病(神経腫で神経絞扼症状)で前足部(MTP関節周囲)を両側から把握して疼痛誘発すると陽性。
画像検査:
Xp:下腿も足も原則両側2方向(正面・斜位像)撮影(4つ)とる。外傷でなければ、さらに立位両側2方向→合計8枚?
条件色々


合併症(説明):
治療:

鑑別
下腿
・アキレス腱断裂
・シンスプリント

足関節
・足関節外側靭帯損傷
・踵骨滑車部骨軟骨障害
・変形性足関節症
・先天性内反足
・足関節果部骨折:多い。関節内骨折。強固に固定する。


足部
・踵骨骨端症
・足底腱膜炎
・偏平足
外反母趾
・関節リウマチ
痛風


※足の胼胝(たこ、べんち)も確認。
趾尖:槌趾、マレット趾、足部コンパートメント症候群、脳性麻痺
PIP関節背側:槌趾。
母趾MTP関節:内側→外反母趾、背側→強剛母趾、底側→外反母趾
第2,第3中足骨骨頭部底側:外反母趾、開張足、MTP関節脱臼
小趾MTP関節外側;内反小趾
第5中足骨基部外側:内反凹足
足底部内側:偏平足
アキレス腱付着部:Haglund lesion

機転:
視診:
問診:
触診:
検査:
鑑別:
合併症(説明):
治療:


機転:
視診:
問診:
触診:
検査:
鑑別:
合併症(説明):
治療:

 

骨折の診察

骨折の診察:診察は愛護的に、最小回数で
戸惑うところ:↑の最小回数ってのが大事。具体的には、骨折部を動かすべきか否か。整形の本では愛護的に動かして轢音、疼痛を確認するとあるけど、救急の本では基本動かさずに神経・循環確認してすぐXp。ここでのやり方の違いは整形外科医は最終地点、救急医は中間地点であるための違い。研修医→救急医→整形医が愛護的に何度も疼痛誘発してたら患者はキレる。最終点の整形だけ動かしてもよい(骨折が明らかならやめるべきだし、やるとしても最小回数だけど)けど他の者はやるべきでない。
+骨折はXpで分からないのはよくあるので、骨折はないですよとは絶対に言わないこと。

☆丁寧に視診・問診・触診。他動運動で疼痛誘発するのは避けるべき。部位の指さしも。
まずは
主訴:明確に
現病歴
Onset:受傷機転、状況。
Position::部位からありがちなものを推測。
Quality:持続痛か間欠痛か
Time:
Radiation:放散痛
Severity:VAS(visual analogue scale:0-100mm)
Association:増悪・寛解因子、併存症状(発熱、感覚障害、麻痺など)
+AMPLE
・アレルギー:特にセフェム系抗菌薬(下痢はアレルギーでなく腸内細菌叢の変化)
・内服薬:抗凝固薬のワルファリン、抗血小板製剤、クロピドグレル、チクロピジンステロイド(易骨折)、降圧薬やベンゾジアゼピン系(転倒の原因)、NSAIDs(消化管出血)
・既往歴:内因性疾患が転倒などの原因になっていないか(ACS脳梗塞、出血からの貧血)、治癒遷延因子(糖尿病、末梢血管障害)、骨折起こしやすい原因(骨粗鬆症、癌の骨転移、骨形成不全)
・社会歴:飲酒、職業も?

視診:まずは歩行形態(自力歩行や車いすなど)。可能な限り脱衣する。女性は微妙。
触診:左右の比較を忘れない。健側から診察。疼痛の訴えのある箇所は最後に診察。熱感の触知には手背を用いる。自発痛・圧痛の部位を確認。神経(知覚)と血管(動脈触知、CRT)も
外傷で忘れたくないのは、筋・腱損傷での陥凹所見。
※外傷で動作は、まず自動運動ができるか否か。自動運動ができないなら他動運動させるべきではない。自動運動ができないという所見を取って満足する。その後に該当する部位のレントゲン撮影して読影する。不用意な他動運動は合併症を誘発することを忘れない。
※もうひとつ忘れがちなのが、内因性疾患の鑑別。
背部痛:狭心症、AMI、解離、急性膵炎
腰痛:腹部大動脈瘤、悪性疾患
肩痛:狭心症、AMI
後頚部通:髄膜炎くも膜下出血、AMI
最後に、外傷は一か所に限らないことも大事。

外傷:上肢

外傷:上肢

※橈骨遠位端骨折
受傷機転
視診:Colles骨折(手と指でコ)手が上。Smith骨折(手と腕肘でS)手が下。肉眼的変形。
見た目で分からない軽度のものは圧痛確認。画像
圧痛部位:橈骨茎状突起、リスター結節、尺骨茎状突起(尺側の確認も)
知覚:正中神経(骨折片の圧迫による手根管症候群)あたりのしびれ
運動:母指の伸展可能か(長母指伸筋腱の断裂の確認)


Xp:患側は手関節の正・側の2方向,健側は正側2方向。AO分類
→はっきりしない場合にはCTを追加。
整復:麻酔大事。骨折部局所麻酔、腋窩神経ブロック、(静脈区域麻酔)。麻酔は整復前には必ずする。血腫内麻酔はリドカイン2%,5mlor10ml?。評価は一般的に透視。関節内骨折などで透視下に整復できない場合は鏡視下、直視下の手術も考慮。

Colles骨折:肘屈曲、前腕回内。両手で手を持って、両母指を骨片の背側に。手関節部を遠位方向に引きながら手関節を掌屈尺屈させて、同時に両母指で骨片を押し込んで整復。
その後固定。肢位は肘屈曲、前腕中間、手関節中間~軽度背屈位?。上腕~手で2週間ギプス固定:腫脹あるなら(だいたいありそう)、シーネ固定(シュガートング)。⇒プレート固定⇒再度シーネ⇒抜糸(10~14日)⇒リストサポーター装着⇒1年くらい後に抜釘
※2週以上経過したら皮膚の線維化起こって、抜糸の痕が穴になる。

治療:8割程度は保存的に治療。2割程度で手術(プレート固定)。
☆手術の割合は増加傾向。
利き手の骨折だったり、活動性高い人の場合、手術おすすめ
他には不安定型か否か
☆Cooneyの基準(佐々木のは使いにくそう)の不安定型
20度以上の背屈変形もしくは高度の関節内障害があり、整復位を保つのが困難な高度粉砕型骨折。
→こんな時に手術をすすめる。
手術するならできるだけ早期、遅くとも3週間以内。掌側ロッキングプレート固定が主。

腫脹が強い、強くなりそうな場合には整復後にシュガートングギプス。
掌屈or背屈どっちの固定にするかは?な状態。
・シュガートング:手背から肘で折り返して手掌まで固定。弾力包帯で遠位から近位に向かってシーネを固定(母示指間にも巻く、肘もしっかり)。手掌部分はしっかりと両母指でモールディング。手指のMP関節がしっかり動くことを確認。
・前腕ギプス:ストッキネット装着(親指が出るように)。綿の下巻き包帯(遠位から)。gギプス巻き(母示指間は分厚くならないように1cmほど残して切って巻く、2回巻く)。肘下(前腕だけ)まで巻いて一旦切離。ストッキネットの上下端を折り返し→残りのギプスを巻いていく。最後に両母指でモールディング。MP関節の動き確認。

経過:
~1週間:手指関節だけ動かす。腕は等尺性運動(関節を動かさない筋肉だけの運動)のみで拘縮予防。手指の浮腫などはよく認める。マッサージなどで対応
1~2週:骨癒合開始。プレートなら可動域訓練。ギプスなら手関節はまだ動かさない。正中神経領域のしびれの確認。CRPSに注意して疼痛コントロールはしっかり行う。
4~6週:徐々に癒合してきて骨折線が不明瞭になる。骨折線が消えたら徐々に荷重開始(ギプスの場合)。骨折部に圧痛や不安定性がなければギプスを除去。術後なら筋力強化
6~8週~12週:だいたいこの辺りで骨折線は消失してる。この時期に骨折線を認める場合には骨癒合遷延と判断する。
だいたい3カ月で全荷重可能。

6カ月後までには関節可動域、握力は十分回復。1年以上かけてて緩徐に回復。


保存療法の合併症:手根管症候群、複合性局所疼痛症候群(CRPS)、尺側部痛、関節変形 、皮膚障害、関節拘縮
手術療法の合併症:手根管症候群、複合性局所疼痛症候群(CRPS)、尺側部痛、関節変形 、皮膚障害、関節拘縮、長母指屈・伸筋腱断裂(0-30%),
手術した方が手根管症候群CRPSなどの発生率が⒑→5%くらいに減るけど、腱断裂(15%)や感染などのリスクが出てくる。

 


舟状骨骨折
受傷機転:手首を強くつく
視診:腫脹の程度は様々
疼痛:圧痛→☆嗅ぎタバコ窩の圧痛。動作時痛→つまみ動作、前腕回外動作

骨の基本

骨の基本
※ウォルフの法則:骨組織には負荷がかかる部分に骨が形成され、負荷のかからない部分の骨は吸収される性質がある。
・血管:栄養血管→骨皮質→フォルクマン管→ハバース管→骨単位(オステオン)へ
・骨端軟骨:成長。
・関節軟骨:硝子軟骨。圧迫で変形する。血管はなく、滑液によって酸素と栄養供給
・関節唇:肩・股。不安定な部分でせり出して、関節面を広げ安定化。
・関節半月:膝。関節腔を不完全に二分する。内足と外側。接触面を広げ圧力を分散。
・関節円板:顎・胸鎖関節。完全に二分。関節面の適合性と可動性を高める。


骨折治癒過程
炎症期:受傷後数日
骨折、出血、壊死組織。サイトカイン産生されて諸々、線維芽細胞などが遊走して凝血塊を形成+未分化間葉系細胞、前骨芽細胞が増殖+骨膜で新生血管が増生
修復期:受傷後数日~数ヶ月
  骨折部の凝血塊の中に毛細血管が侵入+未分化間葉系細胞が軟骨細胞や骨芽細胞に分   化する。⇒凝血塊が肉芽組織となり器質化が進む。類骨が形成されてそこに骨塩g沈着して石灰化、仮骨を形成する。仮骨の初期は軟性仮骨(主に線維組織と少量の骨)で、そこに骨芽細胞が働きかけて石灰化が進み、線維性骨からなる硬性骨となる。徐々に堅くなるけど、強度は不安定、この時期に負荷をかけすぎると遷延癒合・偽関節。
モデリング期:数ヶ月~数年。破骨細胞による骨吸収と骨芽細胞による骨形成。
線維性骨がリモデリングにより層板骨へ置換される。⇒皮質骨、海綿骨へ。

治療の時期の判断<癒合期間>:年齢・部位・骨折・損傷の程度でバラバラ
⇒骨折局所の自発痛がなくなり、圧痛と異常可動性がなくなった時点で骨癒合完了。
圧痛あり:治療過程が進行中の骨折
異常可動性あり:未だ骨癒合が得られていない。
⇒個々の骨折の目安を把握して、経過観察していく。経験積む。
Xp:骨折線が消失し、皮質骨・海綿骨に連続性が認められた時点で骨癒合完了と判断
判断は難しい。

・関節
不動性の関節
・線維性結合:頭蓋骨の縫合や遠位脛腓関節(脛腓靭帯結合)
・軟骨結合:線維軟骨や硝子軟骨で構成。椎間板や恥骨結合、肋軟骨。
・骨結合:発生期の骨が癒合して単一の骨になったもの。寛骨(腸骨+恥骨+仙骨)、仙骨(5個の仙椎)

可動性の関節
・関節包で包まれる。関節包は外層は密な結合組織で丈夫。内層は血管に富む特殊な結合組織の膜で、滑液を分泌し滑膜と呼ばれる。
形状:多軸性の球関節(肩・股)、二軸性の楕円関節(橈骨手根関節、顎)、鞍関節(母指の手根中手関節、胸鎖関節)、一軸性の蝶番関節(腕尺関節、指節間関節)、車軸関節(橈尺関節、正中環軸関節)、平面関節(椎間関節、足根中足関節)

筋繊維
・Ⅰ型線維:ミトコンドリアを豊富に持ち、筋原線維に乏しい。多いのは赤筋、持久力。
・ⅡB型線維:ミトコンドリアが少なく、筋原線維が密に配列。多いのは白筋、高速。

腱:筋付着部では、その線維が広がって骨膜に移行(骨膜の中に線維層ができている)し、シャーピー(Sharpey)線維と呼ばれる強靭な線維が骨に入り込んでいる。筋と腱の移行部では、腱のコラーゲンが筋線維の間に入り込んで結合している。

神経
中枢神経
皮質脊髄路(錐体路):全角細胞のうち、遠位筋の外側運動ニューロンを支配する。
錐体外路系(色々):体幹筋、近位筋を支配。腹内側運動ニューロン支配。脊髄の前根。
・感覚神経:後根
・温痛覚:脊髄視床路。
・触覚・振動覚・後索、内側毛体系。

神経線維:軸索→神経線維鞘→髄鞘→鞘
損傷は芯(軸索)がこわれるのは軸索変性、鞘(髄鞘)がこわれるのは脱髄


疼痛
。侵害受容性疼痛:外傷、感染、腫瘍などに起因する組織の炎症過程で発生するヒスタミン、プロスタグランジン、ブランジキニンなどのメディエーターにより、痛覚受容体が興奮し感じられる疼痛。NSAID
神経因性疼痛:組織の炎症ないにもかかわらず、神経が興奮し疼痛自覚。幻肢痛、複合性局所疼痛症候群など。抗てんかん薬、ステロイド、試しに。
心因性疼痛:向精神病薬など使う。

評価の基本(外傷);MIST
Mechanism:受傷機転
Injuary:実際の創部
Sign:バイタル、その他症状
Treatment:実際に行った処置

診察の基本
理学所見は必ず左右を比較する。健側から患側へ、疼痛がない部位から疼痛部位へ。疼痛が生じない手技から疼痛が生じる手技へと進めていく。

☆脂肪塞栓症候群の診断所見
大:点状出血、呼吸器症状と胸部Xp(吹雪様)、脳神経症状(頭部外傷除く)
中:低酸素血症(PaO2≦70mmHg)、ヘモグロビン低下(<10g/dL)
小:頻脈、発熱、尿中脂肪滴、血小板減少、赤沈亢進、血清リパーゼ上昇、血中遊離脂肪滴
で、大基準2項目以上か、大基準1項目+中小基準計4項目か。
検査は問診、バイタル、胸部Xp、酸素化、血算、赤沈、リパーゼ、尿検査、血中遊離脂肪
※点状出血は眼瞼や口腔粘膜に多い。上半身の頸部や腋窩部にも多い。脳神経症状は軽度の混迷から痙攣まで多彩。
基準に含まれてないけど、網膜所見もある。Purtscher's retinopathy=白斑っぽい?DICや閉塞性ショックも起こしうる。
→疑ったら、脳MRI<T2で高信号、T1で低信号、拡散強調(TWI)は早期に >
肺病変は造影CT,でも脂肪塞栓症の肺病変で胸部造影CTに異常を認めることは稀。造影CTは肺塞栓症(血栓)の診断には有用だけど、血栓がなさそうといって、脂肪塞栓がないことにはならない→稀だけど、所見は浸潤影、すりガラス影、結節影
ステロイドの使用は重症例でのみ、1~5日間くらいの短期間でメチルプレドニゾロンを1~1.5mg/kg/日程度を使用。(50kgなら50~75mg/日くらい)

☆コンパートメント症候群の診断
・通常の鎮痛剤で改善されない激しい疼痛
・損傷部全体の腫脹
・ストレッチテスト<筋肉を引き延ばすような受動運動で増強する疼痛>
・コンパートメント内の神経支配に一致する知覚異常・運動障害
→疑ったらコンパートメント内の内圧測定して40mmHg以上なら治療へ
→筋膜切開。


☆痛み止め:3種類<侵害受容性疼痛、神経障害性疼痛、非器質性疼痛>
①急性→侵害受容性疼痛
NSAIDs、アセトアミノフェン:1,2週間は定期→頓服に切り替え
PPI(ネキシウム20mg1T朝とか)を併用する。
・疼痛強度で:軽、中等度→ロキソニン60mg3T3x。強度→ボルタレン25mg3T3x
アセトアミノフェンは200mg6T3xとか?1回1000㎎まで(成人は)増量可。小児は容量がめんどくさいので都度確認。

②慢性痛で障害受容性疼痛の時
アセトアミノフェンやCOX-2選択的(セレコックス200mg2T2x朝夕)
ダメならオピオイド(トラムセット50mg1T1x眠前、漸増。ノルスパンテープ5mg前胸部あたりに貼付、7日ごとに張り替え)

③慢性痛で神経障害性疼痛の時
リリカ25㎎1T1x眠前、漸増可。SNRI(サインバルタ20mg1cap1x眠前)

三叉神経痛だけカルバマゼピンが第一選択

他に
筋弛緩薬(筋緊張強い時に)→ミオナール50mg3T3x
よくわからんけど慢性痛になんでか効く→ノイロトロピン4単位を4T2x朝夕。安全○


☆チネル徴候
神経線維再生の過程において、まだ髄鞘に被覆されない軸索の先端部は機械的刺激に対して過敏になる。四肢の表在近くに触れる神経幹内に再生が始まると、皮膚表面を軽く打っても放散性の非常に激しい痛みが発生する。これが時間の経過とともに末梢へ移行する現象をチネル徴候と呼ぶ。知覚線維は筋線維の伸張反射受容器 stretch receptor を支配し、通常は痛みとは別の知覚を司るが、脱神経後の筋肉内に知覚神経線維が再生する際には深部疼痛 deep pain を発生させる。この疼痛発生時期は、筋肉に運動終末が再形成されて再び収縮が認められるようになる時期に先行するため、筋肉の圧迫痛が強い場合には神経再生の徴候と認められる。軸策の再生が順調に経過する場合、当初は受傷部に強く現れる陽性徴候が次第に弱まって末梢へ移るため、再生速度を知る目安になる。

Tinel徴候ってのは、特定部位(正中神経とか腕神経叢とか)の叩いて痛みが出るってやつではなくて、通常は痛みとは関係ない知覚神経(伸展反射受容器)が脱髄(壊れて)して再生する時に、伸ばした時とか(叩いた時とか)に痛み(放散痛)が出てくる。
で、再生の最初のころは痛みが強いけど、軸索の再生が順調だとその痛みが次第に弱まって末梢に移る。このトータルの減少をTinel徴候という。
だから、これは障害も指すけど、治癒・再生が順調にできてるかも確認できる大事な奴。

 


胸郭出口症候群
腕神経叢と鎖骨下動脈、鎖骨下静脈が胸郭出口付近で頚肋、鎖骨、第一肋骨などや前斜角筋、中斜角筋、小胸筋などに圧迫・牽引されることで起きる症状の総称である。

・神経型:アドソンテスト陽性、ルーステスト陽性、チネル徴候陽性 90%以上で鎖骨上と前胸壁に灼熱痛を感じたり、尺骨神経領域に局所痛と感覚異常が出る。鎖骨の圧痛、腕神経叢引っ張りテスト陽性。手の内在筋衰弱、母指球筋または小指球筋のしびれ、むちうち症の病歴、キーボード・ファイリング(反復的上肢運動)、持ち上げ作業(頭上挙上運動)の病歴がある患者に多い。

・静脈型:第一肋骨、前斜角筋、鎖骨、肋烏口靱帯による鎖骨下動脈外部圧迫が伴われる。上肢反復運動、鎖骨骨折の病歴があり、局所の静脈造影が必要となる。

・動脈型:ワイリーアレンテスト陽性 前斜角筋、中斜角筋間の鎖骨下動脈の圧迫が伴われる。鎖骨下動脈瘤を引き起こすことが多く、アテローム塞栓による指の虚血が伴われる。


骨粗鬆症
注意したい疾患は椎体圧迫骨折(海綿骨が低下)と大腿骨頸部骨折(皮質が低下)
リスク:FRAXの分類(保留)
検査:骨密度、骨代謝マーカー<BAP, P1NP, TRACP-5b>
BAP:骨型アルカリフォスファターゼ。骨代謝マーカー。リモデリングを抑制するビスホスの薬の治療効果判定に。ベースと6カ月後とか。採血はいつでもOK。60%に低下させたい
P1NP(I型プロコラーゲン-N-プロペプチド):骨形成マーカー。PTH製剤(フォルテオ)の治療モニタリングに
TRACP-5b(骨型酒石酸抵抗性酸性フォスファターゼ):破骨細胞にのみ存在する酵素で、骨吸収の亢進に伴って血中に漏出する。骨吸収マーカー。

 


☆内服薬
モデリングを促進
 rhPTH:テリパラチド(=フォルテオ、1日1回皮下注、24カ月まで)、

モデリングを調整
 SERM:選択的エストロゲン受容体調整薬。エビスタ(ラロキシフェン)、ビビアント(バゼトキシフェン)
 vitD:エディロール、アルファロール、アルファカルシドール、ワンアルファ
 vitK:グラケー、ケイツー、ケーワン、vitK2のメナテトレノン

モデリング(骨吸収)を抑制:骨密度は上がる。質は悪いかも
ビスホスホネート:ボナロン、ボンビバ、リカルボン
抗RANKL抗体:骨吸収を止める。老朽化した骨はそのまま

他には高脂血症だと骨粗鬆症促進するのでスタチン(vitE追加で効果上昇)。


eGFR<60ml/分では血清PTHの上昇、血清1,25水酸化vitD3欠乏が著明になってくる。また、腎機能の低下に伴い、血中へのCa, Pの排泄が低下していくじとにも注意。

 

 

 

 

外傷:頸部

外傷:頸部<ザックリ、筋肉か骨か神経か>

①外傷性頸部症候群(むちうち損傷、頸椎捻挫などの総称。色々な概念の総称)
機転:交通事故での首への加減速
視診:歩行障害(まず歩けるか、平地と階段歩行)
問診:動かせるか、可動域制限、動作時痛は?頭痛、めまい、耳鳴りなどの合併症状は?
触診:遠くから。他覚的な神経症状の有無(上肢、反射、知覚、筋力、しびれも)
圧痛部位とか触らない。Spurling検査とか絶対やらない。
検査:頸椎2方向Xp→Xpで骨折不明or疼痛強度ならCT(骨折脱臼精査目的)
MRIは慢性期で症状が遷延する場合に精査目的に施行。
鑑別:頸椎骨折(椎体骨折とか)、脳脊髄液減少症(事故の外力で硬膜が破れて減少。起立で頭痛、嘔気。CT脊髄造影やMRI。難しいので専門へ)
合併症(説明):いわゆるむちうちの状態。だいたい1カ月で改善(時間がかかるかもだが、治りうる病気であることを伝えて安心させる)。痛みがない範囲で動かす。痛み止めも使う。活動はこれまでと同程度を目指す。
治療:ケベック分類(Grade)
0:訴え無し。1:訴えは痛み、こわばり、圧痛のみ。→痛み止めくらい
2:筋骨格徴候(?)を伴う。3:神経徴候。→2,3週のうちに再診。就労制限は短期
4:Xpで骨折、脱臼:頸椎カラーを使う。
NSAIDs、筋弛緩薬、湿布。精神ショック強いなら精神科。
※上肢にひびく痛みやしびれの訴えはよくあるけど、神経根、脊椎は問題ないことが多い

②頸椎骨折
機転:交通事故(こっちは外傷)、墜落、ダイビング
視診:バックボードに固定されてる。(意識障害なく、重症感がなければはずして頸椎カラーに変更→可能な限り動かさないことが重要)、意識低下の確認
問診:嘔気などの周辺症状
触診:①と一緒。圧痛点にはこだわらない。あくまで神経所見(上肢や麻痺やしびれ)
検査:①と同じ。頸椎2方向Xp→Xpで骨折不明or疼痛強度or意識障害あるならCT
鑑別:骨折、脱臼、脊髄損傷。高エネなら全身状態(JTAEC)も確認
合併症(説明):絶対安静。入院必要。急性期は全身状態も不安定なので、呼吸・循環には特に注意が必要。
治療:頸椎カラー装着のまま床上安静でGapは0度。


③頸髄損傷
機転:
視診:
問診:
触診:
検査:
鑑別:
合併症(説明):
治療:


機転:
視診:
問診:
触診:
検査:
鑑別:
合併症(説明):
治療: