血尿:本当に血尿か?色素尿ってのもある。
真の血尿(ただの色素尿でない)=尿潜血陽性で沈砂で赤血球(>4/HPF) を認める。
で、不均一な赤血球(か赤血球円柱あり)だったら、赤血球が腎臓の糸球体を通過するときに壊れた→腎内疾患
沈査で均一な赤血球=糸球体以降の尿細管からの出血で凝固→尿閉→膀胱タンポナーデを起こす。→膀胱洗浄が必要→泌尿器疾患
2つをきちんと分けて考えることが大事。

検査:バイタルはチェック。尿、血液(腎・CK)、腹部エコー(水腎症、膀胱内の凝血塊)、画像検査は結石を疑ったときに行う。


糸球体性の血尿の場合。
血尿だけで蛋白尿も腎機能低下もないなら非特異的な血尿かIgA腎症か→経過観察
蛋白尿合併→糸球体腎炎疑いで腎生検など。
実際は蛋白尿合併しているような場合は感染、膠原病、悪性腫瘍など合併していることが考えられるので精査した方が良いかも。
急性腎不全の症状、乏尿があれば入院。特に症状なければ翌日再診。
※IgA腎症は20年間で40%が末期腎不全になるので定期的なフォローが必要。
おまけ
血尿の家族歴→Alport症候群(伴性遺伝、男は重症、難聴、白内障)、菲薄基底膜病変(予後は非常に良好)

非糸球体(尿路系)の血尿の場合。血尿に凝血塊。
50歳以上だと、どんな血尿でも悪性腫瘍の可能性がある。尿路系腫瘍は職業歴が特に大事
細胞診や膀胱鏡などで確認するけど、コンサルした方が無難か。
実際にできることは尿道カテーテルを差し込んで膀胱洗浄するくらいか。
あとは泌尿器科コンサルト。

横紋筋融解症:CK高値、色素尿(尿潜血陰性)、高体温にもなるので注意。
外傷、薬物による。
治療:ヴィーンF+メイロン(20ml/A)を大量に点滴。尿カテ入れて、時間尿0.5ml/kg/h目標
フロセミドは禁忌!
治療目標はCK<1000かミオグロビン<5000